
爆睡三昧だった土曜の夕方、天王寺に住む友人から
ビールでも飲まないか、というLINEが来た。
聞けば、天王寺公園で、
ドイツビールのフェスが開催されているという。
時計を見れば16時半だった。
うわっ、今日もよく寝たわあ、と思いながら僕は、
18時に友人と天王寺で待ち合わせることにした。


土曜の夕方なので、
さぞがし人でごった返しているだろうと思いきや、
そんなでもなく、ゆったり座って飲むことができた。
どんなビールがいいのか分からなかったので、
ドイツ人の集団が注文していたビールを買った。(笑)
オレンジ色に染まった夕空を眺めつつビールを飲む。
寒くもなく、暑くもなく、爽やかな春風が心地よい。
天王寺動物園に隣接しているため、
時折、ゾウの鳴き声が聞こえてきたりする。

周囲の喧騒、春風にざわめく木々の葉擦れの音、
友人との会話、暮れなずむ空をワカサギが横切る。
見えている風景、聞こえてくる喧噪、ビールの味、
風が皮膚に触れる感覚、ドイツソーセージの匂い、
一瞬、思考が停止し、自分が消失していた。

仕事に集中している最中であれ、運転中であれ、
パートナーとケンカ中であれ(笑)、買物中であれ、
今、この瞬間は、五感の安らぎに満たされている。
今に留まるには、五感そのままでいる必要がある。
(五感そのままでいよう、とするのではなく…)
なぜなら、目や、耳や、鼻や、舌や、皮膚には、
何かを解釈しようとする機能がないからだ。
五感でチョクで触れている〝それ〟が、
解釈以前の様子であり、自分無しのありようだ。
なんかもう、
自然に湧き出る思考に煩わせられなくなっている。
湧き出る思いや感情が自分ではないと智っている。
改善すべき自分もいなければ変えるべき他者もいない。
天然の世界だけが顕在していた。




