香港さんといっしょ!ー純粋非二元で目醒めを生きるー

欲望都市香港で覚醒した意識で生きることを実践中。今回を最後の生にするための日常を綴っています。

うす桃色の光


↑管理所の蓮池に咲いていた蓮の花。きれい。

今日は顧問K氏の運転する車で、

新たに進出することが決まった街へ向かった。

僕一人では煩雑な手続きやスケジュールをとても管理できないため、ずっと以前、

僕が別の工場を設立した際にお世話になったK氏に応援をお願いしたのだ。

K氏とはまさに12年ぶりのコラボとなる。

彼の年齢は50歳半ばくらいだろうか、外見は記者会見のときの佐村河内氏に似ている。

が、中身は全然違って、どんなことでも親身になって面倒を見てくれる、

優しい兄貴といった感じの人だ。

工場がある土地の政府関係者に強力なコネを持っていて、あらゆる政府とのトラブルも、

K氏が窓口になって交渉してくれる。


途中、設備移管工事の会社を経営するN氏も合流した。

N氏は沖縄出身の60歳。寡黙で温和な人。中国の物流と建築物を知り尽くしている。


現地に着くと、三人でまず、環境保護申請を請け負ってくれる会社を2社回り、

見積もりを入手する。

環境申請に係る交渉や申請までの段取りはK氏がしてくれることになった。


その後、市内のレストランで工場の内装を請け負う会社の社長、夏氏らと昼食。

北京出身で日本語がペラペラの夏社長は、

北方人らしい誠実さがにじみ出てくるような、実直な人だった。

いつ訪問したのか、うちの工場もすでに視察済みということで、

自分たちで寸法を測り、正確な図面を引き直してくれていた。

一緒に来た設計士の女性や、日本人営業マンの方も好感が持て、

心配していた電気容量の申請なども、K氏と協力しながら、直接関係部署と交渉しながら

進めてくれるということで、ひと安心だ。

僕は別件で出席できないが、さっそく明日、うちの製造移管担当のC部長を交え、

詳細な打ち合わせをするという。


会社設立担当のK氏。設備移管と設置を請け負うN氏。そして内装と電気工事の夏社長。

みんなそれぞれの分野のプロフェッショナルばかり。人柄も問題ない。

これに、うちの会社の製造ライン設置担当のC部長が加わり、〝チーム匠〟が結成された。

イェーイ!パチパチパチ!


えっ? お前は何をやるんだって?

うーん。会社の名前を考えるのと、あとは内装かな?

無機質で殺風景な灰色に覆われた工場にはしたくない。

ちょっとした部分に赤や黄色などの暖かい色をたくさん使いたい。

休憩所や会議室には、真四角ではなく、丸みのある家具を配置する。

事務所スペースも、ただ机を並べるだけでなく、みんなが楽しく過ごせるよう

植物の配置や床や壁の色にも気を使おう。

いろいろと構想を練っているとすごく楽しくなってきた。

午後からは、K氏とN氏で、工場がある企業団地の管理所を訪ねた。

今回契約することになった工業団地は、日系中小企業だけが27社も集まる企業園で、

日本人特有の細かい要求にも辛抱強く答えてくれ、

資料も全て中国語と日本語が揃っており、園内も清掃が行き届いている。

そんな管理所の人たちの〝神対応〟ぶりも、ここに進出を決めた大きな要因となっていた。


今日は、管理事務所のマネージャー謝さんと、通訳兼実務担当の余小姐とともに、

賃貸契約書の最終確認を行なった。

当初、問題がなければ、サインをして帰るつもりだったが、ここへきて問題が発生した。

謝さんがエレベーターは自分たちで付けてほしいと言い出したのだ。

その代わり、家賃を二ヶ月分免除するという。話を聞けば、企業園内でエレベーターを

設置するのはうちが初めてらしく、うちの工場にエレベーターを設置したことがばれると、

他の工場がうるさいらしい。また、事故が起きた際の責任も取りたくない。

なので、全てうちの会社の名義で設置してほしいということだった。

これにはK氏とN氏が切れた。先週党書記や鎮長がOKした内容を覆すのか、

と、すごい勢いでまくし立てる。僕も、また1から本社に報告するのかと思えば脱力した。

だが、謝さんも負けずに大声でがなりたてている。


やがて、この光景を〝これは全部設定で、数字のプログラムどおりに自分も反応してる〟

と認識しながら見るようにしていると、なんだか気持ちがシラけてきた。

静寂の意識で兄貴とともにいる。こんな数字のプログラムはいらない、と兄貴に渡す。

するとだんだん愉快になってきて、ハートがひゅんひゅん騒がしくなった。

楽しくて笑いそうになるのを必死でこらえていると、

何を思ったのか、謝さんが突然笑い出した。


結局、設置やお金の支払いはすべて管理所が負担し、

持ち主は管理所、使用者は借主、というふうに分けて登記することで話がまとまった。




帰りの車中、どうしてもおしっこが我慢できなくなった僕は、

高速道路の上でK氏に車を止めてもらい、立ちションをした。

珠江大橋の上から海に向かって用を足していると、隣でN氏が

〝人が見える。海の上に人がいる〟と言い出したので、すっごくびびった。


この日家に着いたのは夜の11時半。

しかし、ハートがずっとひゅんひゅん唸っていて、何を見てもうれしかった。

きょうはもう疲れた。明日は少し、遅く出勤することにしよっと。