毎日残暑が続く香港だが、少しずつ秋の気配が漂ってきた。
それでも、チリリーン、と部屋が冷えていないと気が済まない僕は、
オフィスで冷房+扇風機を使用している。
が、その扇風機が今日壊れてしまった。
いつもはふぁちゃんに頼んで買ってきてもらうのだが、
清算業務で忙しそうにしていたので、近くの百貨商店まで自分で買いに行った。
買ってきた扇風機をふぁちゃんに見せ、138元(約2000円)だったと告げると、
なんでそんな高いのを買って来たんだ、だまされている、と叱られてしまった。ぐすん…。
昨夜は久々に大陸で一泊した。
ホテルにチェックインをして、部屋でしばらくくつろいでいると、
なぜか肩がすっごく重くなってきて、パンパンに張ってきた。
霊感など全くない僕だが、この部屋、何かいるのか、と思わず周囲を見渡してしまう。
まあいいや。父の愛以外は真実ではないし…。自分ではなにもしない…。
なあんて言ったって、肩が痛いのは治らない。兄貴に修正してもらうのを待つより、
ここはてっとり早くマッサージで気持ち良くなることにしよう。
ということで、輪タクを捉まえ、按摩学校が経営している〝中式按摩処〟へ行く。
いつもの女性マッサージ師が出払っているということで待っていると、
柔道してるみたいな、すっごいマッチョな男性マッサージ師がやってきた。
力が強いのはちょっとなあ、と引きながらも、お任せ状態でマッサージ台に上る。
按摩が始まった。
えっ、なに、これ? すごい。気持ちいい。
全然力なんて入ってないのに、指先でツボをぐりぐり押されただけで、
ああああ、と波動のようなものが浸透してくる。
なんや、この人! 北斗の拳みたいや!人間低周波マッサージ!
それから、ああああ、わわわわ、な2時間を過ごした。
なんだか、細胞の一つ一つに何かを注入されて行っている感じ。
終わった時には、肩の痛さも全くなくなっていた。さすが、中国4千年の歴史。
それから、香港に戻り、プライベートでも仲よくしている会計事務所の担当の方が、
今回香港を離れ、オーストラリアへ移住するというので、一緒に夕食を食べた。
今回は灣仔にあるイタメシ屋に行った。
話が進む中で「もう最後なので言いますけど…」と前置きをして聞かされたのが、
彼の上司で、その会計事務所の取締役でもある日本人女性から、
僕はずっと嫌われていた、という話だった。
理由を聞けば、僕がこの会計事務所に初めて監査依頼をすることになり、
その女性上司の方が挨拶に来られた際、なんでか知らないが、
大阪のボケとツッコミの話になり、そこから関西のノリで、幼稚園の時に習った、
お遊戯の踊りを僕が踊ったことが原因だという。
〝大阪には、うーまいもんが、いっぱいあるんやで。
たこやき、いかやき、もんじゃやきー、なんでやねん!〟
という、大阪では有名な、あれだ。
その時は大爆笑で終わったのだが、あとで「なに、あの変な人は…。」となったらしい。
それで、あーんな変な人に女性担当はつかせられない、ということで、
いまの彼が担当になったということだった。どおりで、セミナーに行っても
挨拶してもらえない、と思ってたら、それが原因だったのか。
その話を聞いて、もう僕は大爆笑!
人は自分が見たいものしか見ないのだなあ、としみじみ熟思させられた一件だった。
ある人が行なう、ある言動を見た瞬間、
人はなぜ自動的に、ある一定の反応をしてしまうのか。
そして、どうしてそれを、自分の考えだ、と思ってしまうのか。
問題はここに潜んでいる。
仕組まれた0と1の設定どおりの反応。
全部、でっち上げだ。
完全なるひとつから離れてしまったのだから、
これからは自力でなんとかやっていかねば、という恐怖からくる防御。
離れてなんかいなかった、と、ただただ、赦す。