宝石商佐藤氏が久々に登場。
彼は前回の宝石展覧会の時に会場で仕入れたトラピチェエメラルドを、
今回指輪にして、ベトナムハノイから香港までわざわざ届けに来てくれたのだ。
光に当てると、青や緑に色が透け、本当にきれい。
いつものようにエクセルシオルのスカイラウンジでワインを飲みながら語り合った。
彼は最近ハノイで雑貨屋さんを始めたのだという。
もちろんアクセサリーも売るが、ベトナムコーヒーが一番よく売れているらしい。
今日は特に〝全ての意味付けを放棄する〟をモットーに過ごした。
全ての人の行動に、それは起こっていないと認めて赦す。
この件はどうどうなっていますか、みたいな内容のメールが来る。
「誰々さんはホント、何々なんだよね。」と総経理が同意を求めて話しかけてくる。
あの人は社長で、この人は得意先で、そして自分は、というような判断。
佐藤氏と話している間も、無意識に彼と自分を比べている。
どうや。ほんまに、ここに、この人がおるみたいやろ。
ほんまにリアルに、なんやかや、ちょっかい出してくるやろ。
どうする?どうする?ちゃんと対処せんと、あんたの立場が危ないで。
安全でいられなくなるで!
そんなエゴのちょっかいに、それはウソです、と否定して兄貴を選ぶ。
今日一日、徹底的にそんなことばかりして過ごしていると、
昼くらいから、出てくる人が本当にみんな、夢の中の人みたいに見えてきた。
この人があの人であっても、あの人がこの人であっても、どちらでもいいと思えてくる。
同じに見えるのだ。
もちろん、0と1で設定された通りの物語は進んでゆくので、それには普通に対応する。
話も聞くし、相打ちだって打つ。
ただし、それは無いと見て赦しながら…。
先週のネガティブびゅんびゅん以降、
すごく凛として、無いものを無いと素直に宣言できるようになった。
本当の実相世界だけで十分だ、と大声で叫ぶ。
もう、父が責任を持っているその世界だけでいい。
いまもそこにいることを思い出すのだ。
佐藤氏が作ってくれたこの指輪は、父の王国の象徴として身につけることにしよう。
なんか、かっこいいではないか。