存在に見え、兄貴いーっ、と叫びながら4回泣いた。
事の始まりは、今年のAKB総選挙で2位に輝いた
ゆきりんこと、柏木由紀だった。
彼女は先日、ジャニーズのメンバーと、
温泉一泊親密写真をスクープされたばかりだった。
AKBは恋愛禁止のグループとして有名で、
これまでスキャンダルがあったさっしーは
福岡に島流しにされ、峯岸みなみは、
研究生に格落ちされ、坊主になるなど
それなりの過酷な制裁が話題になっていた。
しかし、ゆきりんは、何事もなかったかのように、
活動を続け、これからも頑張りまーす、と
なんらコメントを出す訳でもなく活動を続けている。
シカトしてればそのうち忘れ去られる、
という魂胆なのだ、とテレビを見ながら僕は思った。
しかし、そういう怒りも、エゴが命じる感じ方だと、
静かに兄貴に明け渡した。
ちょうど今日は土曜日だったので、家でくつろぎつつ
半瞑想状態でこのスキャンダルを楽しく赦していた。
すると、瞼の裏に現れたゆきりんの姿が、
まるで上から掃除機に吸いこまれるように、
しゃっ、と吸い込まれ、
後には光輝く人型だけが残される光景が見えた。
ええーっ、なんだこれは、と思っていると、
次に、会社の同僚や両親や友人、
兄弟てっちゃんや乙女ののりちゃんやしおちゃんまでが
次々に現れては、しゃっ、と表面の肉体が
吸い込まれて無くなり、後には光の人型だけが残った。
最後には、光輝く人型だらけになり、
それが繋がりあって、一つの光の塊りになった。
なあんだ、肉体を取り去ったらみんななひとつじゃん。
て思った途端、わわわー、とハートの想いが込み上げ、
気がつけば、放心状態で号泣していた。
それから、用があって外出したのだが、
道行く人々の肉体が次々と消滅し、
みんな同一の光輝く人型に見えて、再度号泣した。
外見の違いに惑わされ、違いを見て判断していたのが、
肉体を取り去ればみんなおんなじ光だったんだ、
と思った途端、また泣けてきた。
終いには、光の人型が繋がって、
わたしがあなた、あなたがわし、ような状態となり、
ここでまたわわあわー、と泣きが入る。
この体験に微量の恐怖を覚えた僕は、
乙女ののりちゃんに電話をした。
乙女ののりちゃん曰く、
「自分が赦しを行なっている、と言えてる時点で、
まだ自分という考えを持っている。」と評された。
でも、いい。
それは彼女が投影している肉体の僕であり、
それは彼女が赦すだけで消える幻影の僕だ。
「これから香港さんも理由のない、
強烈な恐怖が出てくると思うよ。」
と乙女ののりちゃんから言われたが、
すでに、幾人もの兄弟たちが先陣を切って
見せてくれているので、全然怖くない。
兄弟がちゃんとサポートしてくれている。
最後に、
ゆきりん!
君は女神だあー!(最後はやっぱりそれかいっ!)