7年ほど前から、ずっと同じ風水師の先生に、
家の風水を観てもらっている。
林先生という、台湾に住んでいる、
よれよれのシャツを着た、
70歳くらいの小柄なおじいさん。
すごく当たる、と評判の先生で、
香港にもたくさんのクライアントがいる。
決して高額の料金を要求せず、
金持ちからの依頼は受けない、
という、ちょっと変わった先生でもある。
僕も2008年のリーマンショックのころ、
前職を辞めたはいいが、次の職が全く決まらず、
にっちもさっちもいかなくなっていた頃、
友人の紹介でこの先生に出会った。
当時、林先生を駅まで迎えに行き、
そのころ住んでいたアパートへ来てもらった。
家の配管の位置を調べ、僕の生年月日と出生時間
それから風水盤で方角を確認してから、
さまざまなアドバイスをもらった。
玄関に黄色いマットを敷いたり、
緑の玉石を火の気のある場所に置いたり、
ヒョウタンをベッドに吊るしたり、
いろいろと指示が出た。
それから、時間を見計らって、
五寸釘を家の、とある場所に打ちつけた。
また、絶対に行ってはいけない方角も指示された。
その後、藁をもつかむ思いだった僕は、
早速指示通り、指定の風水屋さんでグッズを買い、
言われたとおりのことを実行した。
それからほどなく、今の会社に就職が決まった。
↑昔の小銭を窓に5個置く
そして、今のアパートに引っ越した際にも、
林先生に観てもらった。
このときは、引っ越す前に来てもらい、
家具の位置まで事細かに指導してもらった。
僕は海よりも山からの気をもらうタイプらしく、
裏に山があるのはとてもいいと言われた。
そして、リビングに一か所だけ〝財位〟
と言われる場所があり、そこにソファを置き、
日常はそこで食事をしたりするよう指示された。
そうすると、お金に困らないということだった。
↑水を使う洗濯機の前にガスコンロはだめらしい。
なので、緑の玉石で結界を張る
林先生に見てもらってからしばらくして、
僕はアンフィニに出会い、コースに出会い、
風水のことなど、全く忘れてしまっていたのだが、
先日、湯沸かし器の修理の際に鶏の置物を見つけ、
風水は3年単位で変化するため、
そろそろ林先生に来てもらわねば、と思った。
でも、もう林先生には電話をしないと思う。
まあ、そりゃそうだ。
地球なんて無い、と言っている人間に、
そもそも風水など必要あるのか、という話だ。
風水って、
結局は努力や苦労の代替品なんだと思う。
これだけの苦労をしたのだから、
ちょっとくらい、いい思いしたって、
バチは当たらないはず。
これだけ努力したから、金持ちになっても許される。
ここまで頑張ったんだもん、
休んだって何も言われないだろう。
そんな、分離から来る罪悪感を
隠ぺいするために課していた努力や苦労を、
水晶や金魚鉢に肩代わりしてもらおう、という
なんとも、都合のよいツールなのだ。
しかし、隠ぺいする罪悪感がないと分かった今、
もう、このツールを使い続ける理由がない。
ただ、何もしなくても痩せる風水、
とかだったらやるかも…。