香港さんといっしょ!ー純粋非二元で目醒めを生きるー

欲望都市香港で覚醒した意識で生きることを実践中。今回を最後の生にするための日常を綴っています。

ヴィパッサナー瞑想 (7-8日目)



修行7日目。

サードアイの辺りに映像がハッキリ映し出されるという

不思議なことが、瞑想中や睡眠中に何度も起こった。

突然、目の前に長方形のテレビ画面のような

スクリーンが現れ、そこに画像が映し出される。

それは、自分の記憶にはない森の風景だったり、

小さな少女の姿だったり、

どこかのトイレの洗面所だったりしたが、

その映像が地デジも顔負けというくらい

はっきりくっきり、色鮮やかに映し出されるのだ。


そんな画像を幾枚も見せられていたとき、

夕暮れ時の空の画像が出てきた。

「ひょっとしてこの画像、自分で動かせるかも。」

と思った僕は、夕暮れの空へ上っていく感じを

イメージしてみた。すると、本当に画面が動きだし、

だんだん空の色が暗く変化して行ったかと思うと、

やがて広大な宇宙空間に出た。

ゆっくりと振り向く。

バーン、と真下に青い地球が鮮明に見え、

「うわーっ、なんじゃこりゃ!」

と僕は目を丸くして眺め続けた。


そうやって瞑想を続けていると、6日目に引き続き、

さまざまな人たちが細胞の隙間から浮き上がってきた。

家族や先祖がでてきたとき、

ああ、まだこれがあったのか、と少し気が滅入った。


まず最初に妹の顔が浮かびあがってきた。

両親の残した家屋と現金のことで揉めている映像だ。

赦せばいいんだな、と、僕は全てを放棄する、

と妹に宣言した。すると妹は昨日までと同じように、

人型の小さな円柱となって天空へと消え、

続いて僕の両親、父方の祖父母、母方の祖父母の姿が

立ち顕れた。特に、母方の祖父は戦死していて、

写真でしか見たことがなかったのだが、

感謝を放った瞬間、身体中がぞわぞわと震えた。

そのあと、また、昨日と同じように、身体中から、

身も知らない無数の祖先の人たちが、

円柱の人形のような形になって、

湧きあがっては天空へと消えて行くのが見えた。

一人一人の祖先がどんな人かは分からないのだが、

最後は原始人みたいな人まで出てきてびっくりした。


それが済むと、今度は自分の前世とともに、

その時に出会った人々が怒涛の勢いで現われては

天空に吸い込まれていく、という経験をした。

これも、前世の姿がはっきり見えたわけではなく、

身体の中から無数の人たちが、がらがらと、

玉のように湧きあがっては上がってゆくのだった。

8日目。

そうした一連の不思議な作業がひと段落し、

やれやれと心底ホッとしながら瞑想を続けていると、

突然、以前テレビのドキュメンタリー番組で見た

多重人格者の女性のことが脳裏に浮かんだ。

当時50歳くらいだったその女性は、

幼児の頃に母親から凄まじい虐待を受け、

その苦痛から逃れるために多くの別人格を生み出し、

自分に変わってその別人格に母親からの虐待を

肩代わりさせていたという。

〝その多重人格者たちって、個々の肉体に分離した

 僕たちと同じものじゃないのか〟

と思った瞬間、決断の主体の奥に潜むエゴの大元締めが、

ビクン、と反応した。

それから怒涛の気づきが次々に押し寄せてきた。


神の子である真我の自分(主人格)は、

〝神から離れた〟

というとてつもない罪悪感と、

〝神から罰せられる(虐待される)〟

という恐怖から逃れるため、無数の僕たち(別人格)

を生み出し、神からの虐待を肩代わりさせた。

そして、僕たちの苦しみなど露とも知らない神の子は、

今でも神の国ですやすやと安らいでいる。


〝本当は、俺は神の子を死ぬほど憎んでいた!〟


そのこと息づいた瞬間、すべてが見えた。

〝神の子である自分がエゴを選ぶなんてありえない。〟

と、エゴをバコバコにぶちのめしながらも、

実際、俺は神の子を何よりも憎んでいたのだ!


汚いもの、嫌悪すべきものを全部俺たちに押し付け、

自分は神の国ですやすやとまどろんでいる。

〝ふざけんな!このやろう!〟と思っている。

そして、その想いの結晶がエゴの大元締だったのだ。

エゴは僕からボコボコにされ、血みどろになりながらも、

父の元へ帰りたい、と切ないくらいに泣き叫んでいる。

その声を無視して、僕はエゴを虐待しまくっていたのだ。


〝僕は神の子を赦します。〟

と心の中で宣言しようとした。

が、宣言しようとすると呼吸困難になり、

どうしても言葉が出てこない。

大きく深呼吸し、心の中で再度叫ぶ。

〝僕は神の子を赦します。〟

ざざざざざ、と鳥肌が立ち、涙がわーっと溢れ出した。


エゴに謝る。

〝ごめん赦してくれ。俺と帰ろう。一緒に帰るんだ。〟

エゴがピクピクと喜ぶように震えたのが分かる。

愛だ愛だと言いながらエゴを痛めつけてきた僕を、

エゴは赦してくれている、と実感した。

わーっと涙がこみ上げ、僕は号泣を始めた。

迷惑にならないよう、毛布をかぶり号泣する。

僕にとってのエゴと和解した瞬間だった。


そのとき、僕の背後に何かがさっ、と進入してきた。

次の瞬間、はっきりと、力強い声が聞こえてきた。


「いま、この瞬間から、わたしがあなたを操作します。

 以降、あなたは神の国へと戻る準備に入ります。」


聖霊兄貴の声だ。あまりにはっきりした声で驚いた。

他の人が自分の中でしゃべっている感じ。

聖霊の肉声を聞いたのは初めてだった。


エゴの大元締めが、

お風呂の排水溝に溜まった毛玉くらいの大きさになり、

聖霊兄貴が僕のすぐ背後で、決断の主体とともに、

直列で鎮座しているのがわかった。


その後の瞑想の中でも、

明け渡すべきエゴの設定はやってきたが、

エゴを敵視するのではなく、愛と優しさを以って

聖霊に返してゆけるようになった。


「いいよいいよ。

 何が出てきても、俺は赦すから…。」


神の子を赦し、エゴを愛で溶かす。

この作業を僕に行わせるために、

兄貴はこの地へ僕をいざなったのだなと実感した。


今後、自分は兄貴の操縦下で生きることになるだろう。

兄貴の声は消えることはない。

いままで疑ってきたわけではないけれど、

本当に兄貴は僕を導いてくれていたのだ、と感動し、

再度、部屋で泣いた。

しかし、ここでお伝えしておきたいことは、

これはあくまでも僕の場合であって、

ヴィパッサナーへ行けば誰もがこうなるわけではない。

人それぞれ導かれ方が違うからだ。

なので、僕が体験したことと、

ヴィパッサナーは全く関係がないのだ。

また、コースの学習者がヴィッパサナ―をやって

聖霊と話せるようになる、ということもない。


ということで、こうして怒涛の8日目が終了した。