マカオと国境を接する街、広東省珠海市に行ってきた。
一泊二日の出張である。
今回は、うちのフィリピン工場へ生産委託したいという、
ある工場のライン視察だったのだが、
これがまた、馬鹿デカい工場で、もうちょっとした街だ。
棟から棟への移動は車で行ない、宿舎も敷地内にある。
中国の工場で働くワーカーさんはいたって勤勉で、
工場内は整理整頓もされ、生産効率もいい。
このとき、工場内を見学しながら僕は、
深圳工場の閉鎖が決まり、それに代わる工場を探して、
広東省内をさすらっていた5年前を思い出していた。
あの頃は、ホント、兄貴に文句ばっかり言っていた。
頑張って赦してるのになんでこうなるの、と…。(笑)
いま、あの頃の記事を読み返してみれば、
自我丸出しで突っ走っていたのが見て取れる。
それでも、当時の自分が行なえる最大限のレベルで、
その時代時代を、懸命に赦そうとしている自分がいる。
僕はそれでいいと思うのだ。
それは違うんですよ、とか、そうじゃないんですよ、
と、兄弟を批判、あ、もとい、導くのは簡単だが、
理論通りにできるのなら、今頃全員天国だよ。
だから、兄弟、誰が何と言おうと、
今できる最大限の赦しをやればいいのだと思う。
誰かに何か言われたからと落ち込む必要などない。
先生はあくまで、内なる兄貴だ。
というわけで、
珠海から香港までは、シャトルバスに乗り、
最近開通した、海を渡るハイウェイを通って帰った。
すごく快適で、海のど真ん中の一本道を、
ひたすら30分くらい走り続ける。
10分おきにバスが出るので、待ち時間もないし、
料金もフェリーの半額で、コスパもよい。
バスに揺られながら、神の愛に没入していた。
心を真空にして、聖霊兄貴にさらけ出していると、
愛の感覚がわらわらと湧き上がってきて、
巨大な多幸感に包まれる。
神だけが実存で、世界は無い、と、はっきり認識できる。
Jはきっと、この実存そのものになっていたんだろうなあ。
でもいい。
今の自分ができる最大限のキャパで神へと向かうのだ。