いつも家のリビングの窓から見えている
ハッピーバレーの競馬場だが、
トラックの内側がランニングコースになっていて、
朝から晩まで多くの人がランニングをしている。
見ていると、とても気持ち良さそうなので、
ついに今日、僕も行ってみることにした。
自分のアパートの前の通りを横切り、
競馬場へ続くトンネルを抜けると、
馬が走る芝生のトラックの内側へ出た。
ランニングコースは、
競馬用のトラックに沿って作られており、
一周が2000メートルくらい。
競馬用のトラックとランニングコースの間には
何の柵もなく、自由に入ることができる。
ここへ来るのに、IDの提示も必要なかった。
見れば、ランニングコースの内側には、
サッカーコートやバスケット場などもあり、
更衣室や売店まで完備されている。
貴重品は更衣室のロッカーに入れ、
自前の南京錠で鍵をする。
お湯のシャワーも一日中自由に使え、
これが日本だったらきっと、
ホームレスのたまり場になるんだろうなあ、
と思いながら、僕も更衣室で着替えをし、
コースに出た。
スマホ片手に瞑想音楽を聴きながら、
ランニングコースをだらだらとゆっくり走る。
そして、歩きたくなったら歩く。
気温は摂氏15度、風が心地いい。
それにしても競馬場って、デカい!
リビングの窓から競馬を見ていると、
あっという間に1レースを走り終えるのに、
自分が走るとなかなか一周できない。
それでも、風、太陽、空、ビル群、を感じながら、
半瞑想状態で歩を進めていると、
とても穏やかで、解放された気持ちになった。
あらゆるものへの抵抗を止め、
無限の全体に意識を開いている。
いま、この瞬間、そのままの流れを許容する。
自分は全肯定され、赦され、愛されている、
という知覚と共に存在する。
そうやって、
だらだらと、走ったり、歩いたりしているうち、
トラックを5周くらいしていた。
最後に腹筋をして、競馬場を後にした。
暑かったので、短パンのまま家路につき、
途中、弁当屋で弁当を買った時、おばちゃんから
「あなた寒くないの?風邪ひくわよ」と言われた。
この多幸感は自分の内側から来ている。
すでに自分の本質として〝ここ〟に在ったのだ。
だから、失うことを恐れる必要もない。
反映され続ける〝愛〟を感じながら、
少しづつ、少しづつ、神を恐れなくなってゆく。