兄弟てっちゃんち三日目の起床は午後1時過ぎとなり
遅い昼食をいただいた後は、さすがに疲れ果て、
午後は各自うだうだしつつ、したい事をして過ごした。
夕方、新宿のイタリアンレストランでディナーをした。
次の日、僕は、あるクリニックへ行く用事と、
別の友人に会う予定があったため、
この夜は新宿三丁目に宿をとっていた。
エキスペディアで何気なく予約した〝ホテルたてしな”
であるが、
気温26℃なのに暖房が入っているわ(冷房はない)、
飲み水は無いわ、コップは無いわ、変な匂いはするわ、
で最悪のホテルだった。
「暑いんですけど…」とフロントに訴えると、
「じゃあ、窓を開けて下さい」だって。
おまけにチェックアウトは朝十時厳守である。
今どきこんなに昭和なホテルも珍しい、と、
逆にネタになるほどの徹底ぶりだった。
夕食後、
きつくハグを交わし、ホテル付近まで送ってくれた
兄弟てっちゃん夫妻と別れた。
ホテルの居心地があまりに悪かったので、
表に出て、新宿を散策することにした。
すると、
いつしか新宿二丁目エリアに入ってしまったらしく、
休日の夜というのも相まって、ゲイの人達が、
路上に溢れ出すように飲んで盛り上がっていた。
散策を終え、ホテルに戻ろうとしたが、
二丁目をぐるぐるしたまま、ホテルにたどり着けない。
グーグルマップを駆使しても、どうしてもダメ。
これはもう誰かに聞くしかない、ということで、
どうせなら、二丁目に来た思い出に、と、
派手派手ドラァグクイーンの〝おねえさん〟に、
迷子になったと声をかけたら、なんとそのおねえさん、
わざわざホテルの近くまで僕を案内してくれたのだ。
別れ際「よい夜を」と言われた瞬間、
すごく暖かい気持ちが込み上げてきた。
東京って、過度に干渉されない代わりに、
こちらから助けを求めた時には、ちゃんと助ける、
という度量の深さがあることを思い知った夜だった。
そして、最後に、
兄弟てっちゃんと奥様のさおちゃん、
今回も本当にお世話になりました。
本当にいつも温かく僕を迎え入れ、
心のこもったおもてなしをしてくださり、
本当に本当に有り難うございました。