以前買った『量子論の全て』という雑誌を、
孝弘に貸すことにしたので、その前にもう一度
読み返してみたら、色々面白いことが書いてあった。
画素のよい、今のテレビがどうなのかは知らないが、
昔のテレビのブラウン管に顔を近づけて見てみると、
小さな粒粒がいくつもあり、その粒のひとつひとつが、
瞬時に点滅しながら様々な色に変化することで、
全体の映像の動きを作り出していることが分かる。
画面では女優さんが名演技をしているように見えても
実際には、一つ一つの粒粒が瞬時に色を変え続け、
女優さんが動いているように見せているだけである。
そして、僕達が見ているこの現実世界も、
こんな感じで映し出されているのだという。
量子論では、素粒子は動き回るような粒子ではなく、
瞬間瞬間の点滅だということが分かっていて、
1041回/秒 の速さで素粒子が点滅を繰り返すことで、
高速振動の波を起こし、現実の映像をカタチ作る。
また、観測者が意識を向けた瞬間に、
存在確率が1に近づき〝見られるもの〟が確定する。
例えば、目の前に田中さんを見たとすると、
その瞬間、田中さんの存在確率が1に固定され、
それで、ああ、田中さんだ、と認識が起こる。
ただ、田中さんを見せ続けている素粒子自体は、
1041回/秒の速さで色の点滅を繰り返しているだけで、
田中さんという実体はどこにもなく、言ってみれば、
毎瞬毎瞬の映像が〝違う田中さん〟なのである。
また、それらの素粒子の活動は、観測者の波の揺らぎ
すなわち、観測者が飛ばすフォトンの周波数によって
どんなものを観測するかを決めているのだという。
テレビで言えば、
テレビ本体から微量のTBSの周波数を出すことで、
空中に遍在しているTBSの周波数と同調を起こし、
画面にTBSの番組が映し出される。
逆に言えば、テレビがTBSの電波を放った瞬間、
TBSの存在確率は1で確定し、
NHKやフジテレビなどを見ることはできなくなる。
例えば、本来なら「ああ、田中さんだ」だけでいいのに
そこに、パワハラ田中部長だ、を付け加えたりすると、
パワハラ田中部長のフォトンの周波数で観測し続ける。
僕達は、自分の中だけで起こっているものを見ている。
外には何もなく、ただ飛ばしたフォトンに従って、
粒粒が点滅しているだけだ。
自分の中だけで起こっているものを見つめ、
全てを無限の全体に捧げきり、明け渡してしまうと、
やがて、観測者自体も、世界も消え去り、
素粒子以前のもの(実相世界)が明らかになる。
そしてそのとき、本当の智覚が復活し、
とてつもない愛が大手を振って戻ってくるのだ。