👆 書架の本は自由に部屋で読むことができる
ひゃっほーい!
あの退職金6000万円友が日本へ遊びに来たよ!
この呼び方はナンなので、今後はヴィンセントと呼ぶ。
今回香港での海外渡航者の隔離が不要になったのと、
近頃の円安も相まって、彼もまた、ここぞとばかりに、
日本へ羽を伸ばしにやって来たのだった。
福岡から日本入りして大阪👉名古屋👉東京と移動し
クリスマス前に香港へ帰国する計画だという。
それで僕も、急に旅に出てみたくなり、授業の合間に、
彼と福岡で合流して、一緒に遊ぶことにしたのだ。
👆 日本酒の小瓶は部屋へ持ち帰って飲んでも可
もう、ずっとここに籠っていたいっ!
彼が泊まるホテルと同じところを予約した。
博多駅前にある〝The Basics〟というホテル。
ホテルが図書館みたいになっていてすっごくオシャレ。
ラウンジでは、ソフトドリンクやコーヒーのほか、
ワインとビールと日本酒が無料飲み放題で、
(部屋代に含まれている⇐多分⇐いや、絶対!)
好きな時に、何回でも利用できる。
僕はこのラウンジで、おいしいワインを飲みながら、
まったり小説を書いているだけでも幸せなのだが、
まあ、そうも言ってはいられないので、
午後2時頃博多に到着し、ホテルにチェックインした後
とりあえずヴィンセントと一緒に、
天神や中洲の辺りを散策してみることにした。
👆 ここは本当に静かで、他に客もおらず、
貸し切り状態であった。
洋館の中にあるカフェで一服する。
入館料の払い方が分からなくて右往左往していると、
受付の女性がやってきて教えてくれた。
ビンセントがおみやげを買っていると、
またその受付の女性がやってきて対応してくれ、
カフェで注文するときも、その女性が注文を取りに来て
当然、運んでくるのも、会計も彼女がしてくれた。
(おそらく、作るのも彼女が作っていると思われ…)
それで帰るときにふと奥を見ると、
やはりその女性がお皿を洗ってた。(笑)
ええっ、ひょっとして、この大きな館を彼女一人で…?
でも、フレンチトーストはすっごく美味しかったよ。
丁寧に対応して下さり、ありがとうございました。
👆 このフレンチトーストを見て、
なぜか泣きそうになった。
夜は、定番中の定番、中洲の屋台でカンパーイ!
そこで、中国情勢や僕の台湾移住計画のことなど、
ヴィンセントといろいろ語り合った。
ただ、彼はどちらかというと〝藍派(親中派)〟なので、
台湾の話題には少し気を使わねばならなかった。
それからホテルに戻り、僕はラウンジで小説創作、
彼はあくる日の〝ららぽーと福岡〟での爆買いに備え、
早々に眠りに着いたのだった。
👆 この日は風が強くて、髪の毛がぐしゃぐしゃに
日本酒で乾杯!
やはり、旅に出ると、日常生活ではあまり意識しない、
感情の動きがよく見えてくる。
電車に乗るとき、並んでいる列を無視して、
降りる人の間をすり抜けるように乗り込むおばちゃん、
新幹線のひじ掛けを占領するおっさん、
ラウンジで大声で話す韓国の人たち、などなど、
これ以上でも以下でもない出来事に対する
イラッ、ムカッ、がやってくる。
しかし、昔、あちこち出張に出ていた頃のように、
イラッ、ムカッの後の〝死ね〟まではいかない。
イラッ、ムカッ、のままですでに赦せていて、
最後は〝やっぱり好き〟で自然に着地している。
多分、母親がやんちゃな子供に腹を立てながらも、
すごく愛おしい、という感情に似ているのかも…。
こうして、夜、心地よいベッドに体を横たえながら、
顕われては二度と復元しない今を見つめる。
全ての抵抗を止め、この瞬間に開いている。
粒子が飛び、景色が崩れ始めた。
あまりに幸せな気分だったので、
このまま体を脱いでもいいかな、とまで思った。
その時、幸せすぎて自殺を試みた、
と言っていた山本耀司の言葉を思い出し、
彼もきっとこんな感じだったのだな、
と思いながら、僕も眠りに着いたのであった。
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