先週の土曜日、証明用写真を撮りに、
心斎橋にある、韓国式のフォトスタジオへ行ってきた。
そこは、履歴書やパスポートなどの証明写真を、
盛りすぎず、自然に美しく撮ってくれるフォトスタジオで、
僕も、今後、履歴書の写真は大事かなと思い、
容姿の融通がきくうちに(爆)撮っておくことにしたのだ。
まあ、日本で証明写真と言えば、
適当に撮って貼り付ける、みたいな印象があるが、
就職難で、就活が熾烈を極める韓国では、
履歴書に貼る写真一枚で採用が左右されるらしい。
例えば、年齢も学歴も同じ応募者が100人いて、
その中から、書類選考通過者を10人選ぶ場合、
どうするかと言うと、写真の顔で選ぶというのだ。
顔は口ほどにものを言う、というが、まあ僕も、
長年人事をやって来たのでその気持ちは分かる。
(あれ?目は口ほどに…じゃなかった?)
というわけで、スーツを着て心斎橋へ向かった。
スタジオは思っていたより殺風景だった。
社長の男性(40歳くらい/ヒゲ/短髪/クマ系)と、
助手の女の子(金髪/カラコン/付けまつげ/ミニスカ)
が応対してくれ、二人は僕をじーっと凝視すると、
僕を椅子に座らせ、メイクを始めた。
薄くファンデーションを塗られ、眉を描かれた。
微妙に顎を引いたり、首を傾げたり、目を開いたり、
息を吸って吐いた瞬間にシャッターを押されたり、と、
色んなことをしながら写真を撮った。
撮影を終えると、どの写真にするかを選定する。
どれも同じに見えるので、助手の彼女の意見に従い、
一番目ジカラのある写真を選んだ。
その後、修正する点をいろいろ聞かれた。
頬を削り、口元のたるみを消し、肌のトーンを上げ、と、
「普通、シワやシミを消すと不自然になるんですけど、
星谷さんはシワやシミがないので大丈夫ですね」
と、涙が出るほどうれしいことを言ってくれる。(笑)
2、3日後に修正後の写真を送ってくれるという。
その場で一緒に修正してゆくのかと思った、と言うと、
「いえ、時間をかけて、私が少しづつ、少しづつ、
細かい部分に手を入れていくのでお任せください」
と、クマ系の社長が言った。
スタジオはいつから始めたのかと訊くと、なんと、
この日がオープン初日で、僕が一人目の客だという。
スタジオが雑然としてたのも初日だったためらしい。
なんで検索でここに辿り着いたのか、思えば不思議だ。
帰り、心斎橋を難波までゆっくり歩いた。
僕はキタ(梅田)派なのでミナミを歩くのは久しぶりだ。
優しい土曜の午後、
奇蹟に委ねていると、多幸感が溢れてきた。
できあがった写真が送られてきた。
顎や肌のトーンが修正されていた。
盛りすぎず、とても美しい出来に仕上がっていた。
でも、写真公開はハズすぎるので、インスタのみで…。