最近、NHKがすごい。
《あしたがかわるトリセツショー》という番組の中で、
科学的に解明されたメンタルケアと題して、
様々な瞑想を紹介し、そのメカニズムを解明していた。
まず、禅のお坊さんは本当に〝無〟になっているのか、
を確かめるために、脳波の装置をつけて座禅をする、
という実験をした。
結果、禅の導師も、ずっと無になっている訳ではなく、
自然に出てくる雑念に気づいては、それを許容し、
また無に戻る、を繰り返していることが判明した。
次に、呼吸に意識を向けることで雑念が静まる、
マインドフルネスという瞑想法が紹介され、
幾人かの被験者に、その方法を毎日10分間
やってもらい成果を確かめるという実験がなされたが、
すぐに雑念に支配され、10分間も続けられない、
という人が続出した。
そこで、最後に紹介されたのが、
カジュアル瞑想、という瞑想法で、これは、
日常生活の中の今この瞬間に注意を向け、
好い、悪い、好き、嫌い、の判断をせず、
見えるもの、聞こえるもの、味、匂い、肌感覚、
といった5感をただ感じながら生活する、
という瞑想法だった。
例えば、お茶を入れて飲む、という行為を、
急須を通して感じる湯の温度、湯が茶葉に溶ける様子
茶が茶碗に注がれるときの香り、その緑色の美しさ、
といった瞬間瞬間の様子を感じながら行なうことで、
今この瞬間に注意を向けることができ、
思考の苦しみから解放される、というものだ。
👆 なんかカワイイ子だなあと思ってたら
ナビゲーターは石原さとみだった
このカジュアル瞑想を、さっきの被験者たちに、
やってもらったところ、それぞれ、電車の音を聞く、
珈琲の豆を挽く、歯を磨く、ヘアアイロンをかける、
という行為そのものが瞑想になることが判明し、
全員のストレス度が激減したことが証明された。
この番組は、宗教色やスピリチュアル色を排して、
科学的な根拠に基づいた瞑想を紹介する、
という趣旨で製作されたものだったが、
〝いまこの瞬間に注意を向ける〟
というフレーズが出てきたこと自体、
僕的にはものすごく画期的に思えた。
ただこれだと、雑念に気づいている〝わたし〟がおり、
まだ、
今この瞬間を見ている〝わたし〟という存在がいる。
本当は、見えているそのもの、聞こえているそのもの、
感じているそのものの動き、だけしかない。
そもそも、瞑想をしている〝わたし〟なんかいない。
しかし、究極の境地を以って、それは違うんですよ、
というのは、あまりに乱暴すぎると思うのだ。
それぞれが、それぞれのプロセスに在るだけなのに、
それを、それは違うんですよ、と、安易に、
上の視点から否定してはいけない、と思うのだ。