今TVerで、
《夢をかなえるゾウ》というドラマを見ている。
あらすじは、幸せな結婚をして人生大逆転を夢見る、
中身すっかすか、外見ぺらっぺらな派遣OLあすかが、
ある事情で引っ越したアパートに、ゾウの鼻を持ち、
なぜか関西弁を話すインドの神様ガネーシャが現れ、
毎回彼女に様々な課題を与え、クリアさせることで、
主人公に人生の本当の意味を分からせ、
真の幸せを見つけさせる、という自己啓発系ドラマだ。
古田新太演じるインドの関西弁神様ガネーシャが、
水川あさみ演じる中身ぺらっぺらOLに与える課題は、
・左手で食事をする
・合コンで黙る
・合コンで全員を好きになる
・悪女になる
・自分のキャッチコピーを考える
など、謎なものばかりだが、主人公はそれらの課題を、
ブツクサ言いながらも素直にこなしてゆく。
すると、現実がすこしづつ変わりはじめ…。
とまあ、ハチャメチャ痛快コメディーなのだが、
ガネーシャから次々に出される課題の中で、
僕が特に、おおーっ、と思ったのが、
〝自分は運がいい、と口に出して言う〟であった。
なぜなら、今まで気づかなかったが、よく考えれば、
僕ってすっごく運がいいのではないか、と思ったのだ。
大都会の中心に住み、五体満足で何の病気もない。
母親は元気で介護の必要もなく自由に暮らしている。
日本語を教えている学校は家から2分の場所にあり、
30年間、正社員として海外に駐在することもできた。
とにかく今は、朝早く起きて会社へ行かなくてもよく、
自分の人生の本筋以外の事で煩わされることもない。
それに何より、ハレ師匠や、アニータや、エックハルト、
曹洞宗の禅僧、井上哲玄老師に出会えたことはもう、
幸運以外の何物でもない。
そして、
これらの幸運は、自分で引き寄せたものではなく、
他者のように見える兄弟によってもたらされたものだ。
そこから、兄弟たちに対する巨大な感謝が生まれた。
幸運とは、自分ではどうしようもない事であるからこそ
それが起こった時に、幸運と呼ぶのだろう。
しかし、こうやって僕自身の幸運を書き出してみると、
ここでこうして生きていることすら幸運だと思える。
みんな、100のラッキーがあるにもかかわらず、
たったひとつのアンラッキーに支配されていたりする。
そうなのだ、こうやって、目の前にあるものを見れば、
自分でなんらコントロールすることもなく、自然に、
無限の幸運によって、生かされているのがわかる。
無駄な抵抗をやめて、今の幸運に身を任せる。
その幸運を、ちゃんと見止め、聞きとめてゆくのだ。