

👆20代の人たちには、もはや理解不能な世界
後期の授業が始まると動けなくなるので、
夏休みのうちに新世界を散策しておこう、
というわけで、
ちょっと怪しい映画館に行ってきた。


新世界には、有名な映画館がふたつある。
ひとつは、国際劇場で、もうひとつが、日劇シネマだ。
国際劇場は、ふっるーい洋画を上映していて、
日劇シネマでは、ポルノ映画を上映している。
そして、どちらの劇場も、掛かっている映画同様、
とてもディープで怪しい雰囲気が満載なのだ。



👆国際地下は主に外国映画を上映
日劇シネマと併設されている新世界東映は、
60年代~70年代のやくざ映画を上映している。
この日は、高倉健主演の〝唐獅子牡丹〟(1966)と、
千葉真一主演の〝陸軍中野学校〟(1974)が
上映されており、何事も経験だと恐る恐る入ってみた。

薄暗いホールのカウンターには、
75歳くらいのおっちゃん(丸刈り白髪/ステテコ/デブ)
が居眠りしていて、僕に気づくと飛び起きた。
券売機でチケットを買うが、新札が使えない。
「じゃあ、こっちでお金を払ってください」と言われ、
おっちゃんに1200円(シルバー料金)を払う。
(チケットをもらっていないので、たぶん、
このお金はおっちゃんのモノになると思われ…)

👆 エッチなDVDコーナー
壁の棚にはエッチDVDが無数に並んでいて、
5本で1000円と書いてある。
「突いてるね、イッてるね」「股の下のポニョ」
「パイパニック~あなたのあそこがデカプリオ~」
「ひらけ!マンキッキ」「前戯なき戦い」などなど、
あまり書きすぎるとナンなので止めておくが、
コピーライターも顔負けなタイトルだらけだ。

「ポルノ?それともシネマ?」とおっちゃんに訊かれ、
「シネマです」と答えて、指示された扉を押して入った。
まあ、当然ではあるが、観客は僕一人きりだった。
唐獅子牡丹は途中からで陸軍中野学校は全部見た。
高倉健、津川雅彦、千葉真一、若林豪、といった、
東映を代表する俳優が出演していて、
眉きりり、大きな二重の目、男っぽい立ち居振る舞い、
と、当時の男前は、令和の今とはだいぶ違っている。
カラーのことも〝総天然色〟って言ってるし…(笑)
それでも《陸軍中野学校》は、実話に基づいていて、
終戦記念日に観たせいか、とても感慨深かった。

👆 梅宮辰夫、70年代で、もうすでにオッサン
カチカチカチ、とフィルムが回る音がする。
年季の入った古びた映画館でひとり、
昔の映画を観ていると、背中がぞくぞくしてきた。
ちょうどお盆ということもあり、
何かがいるような気配。
視界の隅で、何かがさっと横切るような感じがあったり
やたら続々と寒気がしてきたり…、というわけで、
映画が終わると、そそくさと映画館を後にした。
ジャンジャン横丁にある、定食屋の北野屋に入る。
北野屋は昔、梅田に店があり、僕が大学生の頃、
よく通った定食屋さんでもある。
から揚げ定食を注文する。
味もボリュームも当時と同じく、大満足であった。