

図書館で高森氏の住所が判明した後、僕は家に戻り、
グーグルマップのストリートビューをチェックした。
石を積み上げた石垣があり、その間に階段が…。
ああ、覚えてる。ここ、来たことがある。絶対にここだ。
2025年8年のストリートビューだったが、
植木もきちんと手入れがされており、
人が住んでいる気配もある。
ただ、当時はすごい豪邸だと記憶していたが、
実際は、ドラえもんに出てくる、のび太の家みたいな、
3角屋根のいたって普通の家だった。(逆に安心…)

👆例えばこんな感じの石垣(この写真はただの見本)
その夜、高森氏の家が判明した興奮からか、
なかなか寝付けなかった。
この作業を探偵に依頼してたら百万円だった、とか、
今回は兄貴に助けられたなあ、とか、
様々な感慨に耽ったあと、最後に、
「じゃあ、いつ高森さんに会いに行こうか」
となった途端、僕はビビった。
〝どのツラさげて…〟と思ったのだ。
当時、甘えるだけ甘えて外国へ行ってしまい、
恩があるにもかかわらず何十年も連絡せず、
かといって、立派になって戻ってきたわけでもない。
もう、恥ずかしすぎて、合わせる顔がない。


コースでは、こんなとき、あらゆる関係性を、
父への間違った思い込みにまで遡って赦すのだが、
今回の件に関しては、
そんなことをする前に、先ずは、1人の人間として、
普通にこの思いと向き合わなければ、と思った。
自分の不義理な行ないを反省し、間違いを認め、
ご本人を前に、
きちんとお詫びとお礼をするべきなのだ。
赦しがナンチャラ、はその後のことである。
そうはいっても、なかなか勇気が出ない。
今は暑いので、もうちょっと涼しくなってから…、
とりあえず、いまは国家試験の方に集中しよう…、
いろいろ忙しいので〝今週は〟やめとこう…、
あげくの果てには、あと2キロ痩せてから、とか、
訳の分からない理由で先延ばしをする始末…。
それでもやっぱり最後は、
勇気をふりしぼって会いに行くんだろうなあ。
菓子折り持って、家のピンポーンを押す間際まで、
「どうか高森さんがお出かけ中でありますように」
と、逃げたい気持ちを押さえながら…。