香港さんといっしょ!ー純粋非二元で目醒めを生きるー

欲望都市香港で覚醒した意識で生きることを実践中。今回を最後の生にするための日常を綴っています。

兄貴に見えている僕たち

金曜の夜といえば、〝探偵ナイトスクープ〟である。

自分の街にナイトスクープが来れば、

協力するのは大阪人の義務だ、といわれるくらい

関西では、すごい番組である。

今回は久々に〝何々怖い〟シリーズだった。

登場したのは人形が怖いという女性で、

デパート、友達の家、子供の保育園など、とにかく

人形がある場所には怖くて近寄れないのだという。


はじめは笑いながら見ていたのだが、やがて、

〝これって今の僕らそのものやん!〟と思い始めた。


多分、兄貴の目にはきっと、

僕たちがこんな風に見えているのだろう。


そして、父を前に、ぎゃーぎゃー逃げ惑う僕達に、

兄貴はあの手この手で

僕達が勝手に創り上げた恐怖や罪悪感を削除しようと

懸命に導いているのだろう。

少しづつ…、そして、優しく…。


僕たちにしてみれば、父そのものを直視するより、

人形を怖がっている方がまだマシなのだ。

しかし、兄貴は人形を代替にして、

父への強烈な恐れを克服させる。

この女性の人形が、ある人には肉体の一部だったり、

ある人にはお金だったり、ある人には家族だったり

するのだろう。


僕たちは、昨日と同じ生活が今日も続く、

という根拠のない確信のもとに、

辛うじて平静を保っている。

今の僕達には、過去と現在は、罪悪感や恐怖を

温存するために、繋がっている必要がある。


少しでも突発的なことが起これば、

この映像の彼女のようにパ二くってしまうのだ。

しかし、パ二くるようなことが出てこなければ、

こんなにも狂った幻想を持っていた

という事実に気づけない。


番組の彼女も小さい頃から分かっていたはずだ。

こんなのヘンだって…。おかしいって…。

でも自分ではどうすることもできない。

だから、助けて下さい、と番組に依頼してきたのだ。

わーわー喚くのをやめ、

きゃーきゃー逃げ回るのを止め、

一瞬だけでいいからじっとしていることだ。


依頼を受ければ直ちに優秀な探偵(聖霊?)が、

動き出し、事の究明に動き出すのだ。

過去のものでは〝風船が怖い〟も記憶に残っている。

風船が死ぬほど怖い彼女が、

小さな無数の風船が入った大きな風船の中に

自ら入り、噴射する風船の中で、

あると思っていた恐怖を取り消してゆく。


僕たちが毎日、ぎゃーぎゃー言いながら

実践している赦しも、

兄貴から見ればきっとこんな感じなのに違いない。


ちょっと笑える。

そうだ、笑いながら父のもとへ帰ってゆこう。