↑今日の夕食。旧暦の端午の節句が近いということで、会社からちまきが支給された。
今日は終日深圳の工場で一般業務。
今週初めての工場訪問なので、僕のデスクにあるINのトレイには、
山のような書類が積まれていた。
次々にやってくる支払依頼書に目を通し、サインをしてはOUTのトレイへ。
基本、領収書と依頼書の内容は出納係の潘課長がチェックしてくれているので、
金額の多いもの以外は、さっと目を通すだけで印鑑を押す。
頃合いを見計らって秘書のふぁちゃんが入ってきて書類を持って出てゆく。
また、月末なので、業者さんへの買掛金送金も山のように溜まっていた。
これも潘課長が作成したリストに従って、銀行のウェブサイトから承認してゆく。
ひと段落してから総経理を訪ねた。
来月20日で任を辞すこととなっている台湾人の総経理は、
いつものように自己の投影である部下たちと戦っていた。
(僕には見えない敵と戦っているようにも見える。)
いい加減な品質検査で、素通りしてしまう不良品の数々。
その尻拭いを全部製造がさせられると、軍人上がりの製造部長が吼える。
購買部長は部下の増員を承認してもらえないことで総経理に不満を募らせている。
開発部の課長は日ごろから癒着している機器購入の業者を出入り禁止にされ、ご立腹だ。
組合長はプールしてある組合費を全て使いたい、さもなくばストライキだ、と息巻いている。
彼の話を聞きながら、僕は笑っていた。 吉本新喜劇だった。
こんな一人芝居、冗談だとしか思えない。
まあ、普通なら〝もうすぐ辞めるのだし〟と、あまり身を入れずにのらりくらいするのが
人の常だが、それでもこの総経理は、残された時間で、ひとつひとつの問題に、
真摯に取り組もうとしている。
「こんな人たちの中にいて、自分の人生の時間を無駄に浪費したくない。」と言う理由で
会社を去っていく総経理だが、自分が投影している以上、与えては奪い去るエゴの習性で、
嫌な人出現→会社を辞める→しばしの平安→ワクワクで新たな環境へ
→第2の嫌な人出現 (利子つき) 、と言うふうにループは繰り返されてゆく。
問題は解決されてもされなくてもいい。
肝心なのは、自分が見ているこの世界が、インチキでデタラメの考えから生じている、
ということを見抜いているかどうか、幻想と言う悪夢の状態に入り込んでいることを、
ちゃんと認識して赦せているか、ということだ。
最近、自分の内部で反転が起こっている。
普通外の外界の世界が外面で、心の中が自己の内面の世界なのだが、
外の世界が内面で、心の中が外面に思えてくる。
普通起きている時が現実で、眠っている時が夢なのだが、
起きているときが夢で、眠っている時が現実のように思えてくる。
普通自分は自分で、他者は他者なのだが、
自分が他者になってもなんら支障がないように思えてくる。
この幻想の世界には自分しか存在していないような感覚に陥るのだ。
と、突然目の前に大アップでふぁーちゃんが現れ、
日帰り弾丸上海出張を入れたと告げられた。
マジかよ!