今日は上海です。
もともと1日弾丸出張だったはずが、ふぁちゃんに泣きついて、1泊に変更してもらった。
訪問先に1番近いホテルを、とふぁちゃんにお願いしておいたら、なんと、なんと、
こんな素敵なホテルを予約してくれていた。
新しく建設された、いかにもそれらしい造りの建物ではなく、
本物の古いお屋敷を改造した、古城のようなホテルだった。
瀟洒な調度品や、歩くとみしみしと音がする木の床は、オールド上海そのものだ。
こんなホテルがオフィス街のど真ん中にあるなんて、ホント、上海ってあなどれない。
ふぁちゃん、こんな素敵なホテルを取ってくれて、ありがとうよ!
(彼女は多分、僕に言われて単純に訪問先に一番近いホテルを予約しただけだと思う。)
今回は弁護士事務所で、かなり突っ込んだ話をした。
保安員は何人増員するか。ロックアウトは何時に行うのか。
いつ地元の共産党書記に挨拶に行くのか。資金の調達は間に合うのか。などなど。
結局、最終ミーティングを東京で行うことになった。
もともと、会議は7月初旬に香港で、ということだったが、
僕が神戸リトリでお休みになるので、それじゃあ東京でやりましょう、ということになった。
結果、僕は神戸リトリの前に東京入りし、会議の後神戸へ行くことになった。
乙女ののりちゃんと一緒に神戸に行けるかも…。兄弟てっちゃんと東京で飲めるかも…。
なにより、会社の経費で神戸リトリに参加できて、おまけに出張手当までもらえるなんて。
ひゃっほーい。兄貴いーっ!ごっつぁんです!
深夜零時、誰もいないテラスの椅子に腰かけ、ぼーっと月を見ていた。
〝世界はない〟と言う言葉をマントラのように呟く。呟くたびに喜悦が込み上げてくる。
このホテルも、弁護士事務所も、上海も、月の光も、庭から立ち上る青い草の匂いも、
すべて、ない。
あるのは、眠っている僕を優しく揺り動かす、聖なる眼差しだけだ。