水虫っぽいの、になった。
じめじめしたこの春の季節に香港で流行するので、
中国語では水虫のことを〝香港脚〟と呼ぶ。
香港に来てから何度もなっているので、
あまり気にせず、市販の薬を付けていたのだが、
一向に良くならず、昨日は革靴が履けないくらいに
腫れてきたので、掛かり付けドクターである、
ケネス・ホー先生に診てもらった。
看護士さんにどうしたのかと聞かれ、
「ええ。まあ、ちょっと、脚が痒くて…。」みたいなことを言うと、
「ああ、水虫ね。」と大声で言われた。
てか、なんで、そんなでかい声で言うねん!
先生に診てもらったら、水虫ではなく、何かの傷に、
ばい菌が入って、炎症を起こしている状態だという。
水虫だと思い込んで、勝手に市販の薬を付けていた
のも逆効果だったとか…。
消毒薬と抗生物質を処方され、
様子を見ることになった。
そう言えば、あのうらぶれ桃園ホテルに泊まった際、
備え付けのサンダルを履いた直後から、
なんか足がむずむずし出しておかしかった。
病院へ行ったその日、この〝水虫っぽいの〟を使って
〝意味づけ変更ワーク〟をやってみることにした。
これは、アンフィニ時代によくやっていたワークで、
身体に痛みや痒みなどの不具合が生じた際に、
「どうしよう。重い病気?癌?心臓病?破傷風?」
と、自動的に行なってしまう負の意味づけを、
「これは、わたしが○○になるために起きている。」
という風に入れ替える方法だ。
「この水虫、かゆーいっ!」となったら即座に、
「この水虫は僕が大作家になるために起きている。」
という風に、ワクワクする夢に関連付けて置換える。
水虫と大作家がどう結びつくんだ?
と思うかもしれないが、量子の0と1の最適化は、
意味づけした瞬間に設定され、
それに向かって進んでいくので、
「この頭痛は、来月行く旅行のために起きている。」
「この胃痛はダイエット成功のために起きている。」
「この捻挫は最高の恋人に出会うために起きている」
と、なんでもいい。
あとは量子が0と1を最適化させてくれる。
その肉体の痛み自体とかけ離れている方が楽しい。
本当は、全ては幻想で、何も起こっていないし、
痛みや痒み自体もない。
それに、兄貴だけを選び続けてゆくと、
痛みや痒み自体も神の愛にしか感じられないのだが、
たとえば、歯がギンギンに痛いときに、
いくら兄貴に明け渡せって言ったって、
なかなかキツいものがある。無理だよ。
だって、実際にすんごく痛いんだもん。
それに「自分は今も父のもとで安らいでいる。」
と、身体が苦しい最中にやっても、
ピンとこないし、第一安らいでいるどころではない。
なので〝起こってない〟の前段階というか、
応急処置として、これもアリだ、と思う。
それに、本当に意味付けが変われば、
量子はそちらへ事を運んでくれる。
というわけで、僕は水虫っぽいのになったことで、
村上春樹大先生をしのぐほどの大作家になれるのだ。
治れば、そのまま忘れていい。
あとは量子が設定をどこまでも突き進んでゆく。