香港さんといっしょ!ー純粋非二元で目醒めを生きるー

欲望都市香港で覚醒した意識で生きることを実践中。今回を最後の生にするための日常を綴っています。

奇妙な場所

兄弟てっちゃん達に別れを告げ、関西に戻ってきた。

そして今日から4日間、奈良でお籠りなのだ。

ジンジャータウンの創作もいよいよ佳境に入り、

ここで一気に追い込みをかけようという計画だ。

なぜかわからないが、奈良のこのホテルにいる時だけ、

ジンジャータウンに関しては自動書記が起こるのだ。


JR奈良駅に着き、タクシーに乗る。

ホテル名を告げると、

タキシードの制服を着た年配の運転手さんが、

「ここにお泊りなら、今夜遅い時間に

 浮見堂へ行ってみられたらいかがですか。」

と、車を発車させながらミラー越しに言った。

「浮見堂って、ホテル横の池に浮かんでいる

 お堂みたいなやつののことですか?」

「そうですよ。あそこはね。昔の陰陽師が

 方位学や風水を駆使して造った、

 ものすごいパワースポットなんです。

 強力で不思議な力が流れているから、

 今晩遅い時間に行って瞑想をするといいですよ。」

と、僕の問いに運転手さんが答えた。

「昼間は観光客が多いですからだめですが、

 夜は静かで誰もいませんから、集中できますよ。

 ライトアップされていて、神秘的ですしね。」


運転手さんの言によれば、

ホテルがある春日大社一帯には、

古来から不思議な力が流れているのだと言う。


ホテルに着いた。

今夜行ってみます、と運転手に告げ、車を降りた。

フロントでチェックインを済ませ、部屋に入る。

部屋にいると、やはり、明らかに空気が違う。

穏やかで清新な、どこか凛とした波動が漂っている。

そして、強化ガラスを隔てているみたいに、

奇妙な静寂があるのだ。


それにしても、なんであのタクシーの運転手さんは、

僕に浮見堂で瞑想しろ、などと言ったのだろう。

以前から存在は知ってたが、気にも留めていなかった。

さっとシャワーを浴び、散歩がてら出かけてみた。

人っ子ひとりいない暗い道を歩いていくと、

ライトアップされた浮見堂が見えた。

お堂に近づき、真ん中に座って瞳を閉じた。

ガマガエルの鳴き声。風の音。怖いくらい静かだ。

瞑想なんてどうやっていいかわからなかったので、

とりあえず目を開けたまま、湧き上がってくる思考を

シュワシュワと頭上から放出し続けた。

過去の記憶を信じない、要らない、と放出したあと、

今にいて静かに聖霊に任せていた。

と、眼前に、なにかもやもやとした、

透明な噴流のようなものが、ものすごい勢いで、

自分の周囲で湧き立っているのが見えた。

そのうち、粒子や光がビュンビュン飛び始め、

身体が天空へ持って行かれそうになるのを感じた。


その力は、今に集中し、縦軸を意識すればするほど、

強力になっていくように思えた。

〝目を上げなさい。〟

という声が聞こえたような気がして、

静かに目を閉じると、眼前に黄金色の光が見えた。

〝もうお父さんだけでいいんです。

 他のものは何ひとつほしくありません。〟

と光を見つめながら唱える。

はっと我に返ったときには1時間ほどたっていた。

ホテルに帰ってからも、目を閉じれば光が見える。

粒子も飛んでいる。

これは、あのマチュピチュの月の神殿で、

石のカプセルに入ったときと同じ感覚だ、と思った。


まあ、天皇家も来られる地なので、

強烈なパワーを発する場所であることは、

間違いないのだろう。

しかし、これが不思議なのだが、

このパワーで自分の人生をよくしたい、

とは思わかった。


どこかで、もういい、と思っている。

父が待つ故郷へ永遠に帰還したい。

幻想の世界をシフトするとか、そんなのはいい。

ただ、帰りたい。それだけなのだ。


でも、今日の不思議体験もきっと、

僕を安全に帰らせるために兄貴が手配した、

なんらかのイベントの一部だったのだろう。

おもいきり楽しむことにする。


えっ、ひょっとしてあの年配の運転手さんって、

兄貴の化身? ひええーっ!

ありがと!