↑ 龍が日本列島を駆け昇っているみたい。
月曜の朝、いつものように事務所で仕事をはじめた。
パソコンを立ち上げ、メールやSKYPEを取り込む。
「この前依頼していたあの件は、どうなりましたか」
「この部材の処理をどうするか、指示をください」
「技術指導料はどうしてこの口座に振り込むのか」
さまざまなメールの内容を読んで行くうち、
みぞおちの辺りが次第に〝びゅんびゅん〟してきた。
こういう業務上の無機質なメールの数々に対し、
いつもなら、何も考えずに返信していくのに、
今日に限って、何気ないメールの内容に、
エゴがでっち上げた分離と、隠された憎悪を感じて、
底知れない恐怖と不安を感じてしまった。
いくら兄貴に明け渡してもだめ。
恐怖はますます拡大してゆくばかりだ。
動悸が激しくなり、何かに押しつぶされそうになる。
うわっ、こんなにキツイのは初めてだ。どうしよう。
うつ病にでもなったのだろうか? やばい!
強烈さを増し続ける〝びゅんびゅん〟に耐えきれず、
とうとう、午後から休暇を取った。
自宅への帰り道、乙女ののりちゃんに用があり、
電話をしたら、いまクラスの真っ最中なのだという。
それで電話を切った後も、リアルクラスにアクセスし、
スマホで講義を聞きながら家まで帰った。
「分離は起きてない。分離なんてなかった。
神から離れるなんて、そんなのできるわけがない。
だから、分離なんて絶対に起きてないのっ!」
なぜか、乙女ののりちゃんは、この日に限って、
延々とこのフレーズばかり繰り返している。
(あとで再度聞いてみると、そうでもなかった。)
〝分離なんかおきてない。〟
催眠テープの暗示のように繰り返される
この言葉を聞いているうち、
びゅんびゅんの猛威は相変わらずなのだが、
なんとなく、兄貴を呼ぶ余裕が出てきた。
もう、僕は何もしませんから、兄貴、お願いします。
恐怖感も、不安感に対して、僕は何も関知しません。
もう、降参です!もう全部持ってってください。
自我とひとつになって感じるのは散々なんです。
個人の僕として、存在したくありません。
ハートを感じる存在ではなく、
ハートそれ自体でいたいのです。
相手はいない。世界は生じていない。
ここにはいない兄弟を、エゴで抹殺しない。
自分を退かせ、家で静かに兄貴にフォーカスする。
たくさんの先達の兄弟たちが、
どうすることもできない恐怖感について
シェアしてくれていたおかげで、
こういう不測の事態においても、
も安心して対処していられる。ありがとう、兄弟!