昔、このブログでも書いたかもしれないが、
以前、佛山工場の総経理だった人が、
今、香港事務所で経営企画の仕事をしている。
異動になった表向きの理由は〝家族の世話〟
ということだが、実際には、人間関係など、
総経理の任に耐えられなかった、
というのが本音のところだった。
僕はずっとこの人に対して、
訳のわからない憎悪を抱いていた。
特に理由はない。
45歳くらいの、とても穏やかな人で、
これといって、憎む要素が見つからない。
まあ、無理に何か探せば、嫌なところとか、
何か出てくるのだろうが、
憎むほど嫌な人ではない。
この憎悪をじっと観察してみたことがある。
それはいつも、静かに心の底辺を流れていて、
自分の中にある〝嫌なことから逃げ出したい〟
という想いを相手に投影させて、
嫌なことから逃げようとするこの人を憎悪している
ということが分かった。
だが、原因が分かったからと言って、
消えるわけではない。
今日も、朝起きて、その人のことがパッと浮かび、
軽い憎しみに襲われた。
もちろん、兄貴には何度も明け渡しているのだが、
出しきれないウンチのように、どうにも気持ちが悪い。
今朝も、委ねたあと、そのまま放置プレイ。
そして、オフィスに着き、その人に挨拶したとき、
なぜか、爆発的な愛おしさが込み上げてきた。
僕はこの人のことがすっごく好きだったんだ、
とこの瞬間思った。
そんな、愛に満ちた目で見ていたからだろう。
相手も怪訝そうな顔をしていた。
兄貴はやっぱり、
ちゃんと取り消し作業をしてくれていた。
オセロが裏返るように、少しづつ、少しづつ、
間違った知覚が解除され、
ハートの想いへと塗り替えられてゆくのだろう。
きのう書いた、ジル・テーラーさんのプレゼンが
ようつべでもアップされていた。
これまでは、左脳が考え、
その考えを通して、右脳が感じていたのが、
これからは、先に右脳が感じて、
それに沿って左脳で行動するようになるのだな、
と思った。