シッピングの女の子はお休みで、
総経理も昼前には広州へ行ってしまった。
午後からはケリーと二人、オフィスで仕事をした。
夕方、ワンチャイにある総合保険会社を訪ねた。
家へ帰宅する通り道だったので、
はやい時間にアポを取り、あとは直帰を決め込んだ。
ここは東京三菱系列の保険ブローカーで、
オールリスク保険、家屋保険、労災保険など、
香港オフィスの保険は全てここにお願いしている。
あらゆる保険会社から見積もりをとり、
一番安い保険会社をアレンジしてくれるので、
わざわざ自分で相見積もりをとる必要がなく、
とても重宝させていただいている。
そこの総経理と雑談をしている中で、
最近では、労災保険のトラブルが増えている、
ということを教えてくれた。
ファイルを取ろうとしたときに腰をひねり、
腰痛になったと労災を申請し、
補償を受けながら養生と称して半年ほど会社を休む。
そして、復帰してしばらくすると、
今度はケーブルに足を引っ掛けて捻挫をしたと、
また労災を申請して半年ほど休む。
主に20人ほどの小規模日系企業で多発していて、
昇進が見込めないノンキャリアの女性事務員
などに多いのだという。
一人がこの方法で成功すると、
真面目にやっている他の職員もアホらしくなり、
次々とまねをして休み出すらしい。
会社も一度認めたしまったため、だめとはいえない。
骨折などとは違い、腰痛や捻挫では、レントゲンなど、
はっきりと目に見える診断が出せないので面倒だ。
それに、労災認定の病人のため、解雇もできない。
総経理が言うには、日系の会社は何事も
性善説で対処するので、つけ込まれ易いのだという。
いかにも香港人がやりそうなことだ、
と思いながら話を聞いていたが、
もし自分の会社でこんなことが起きたらどうするだろう。
僕ならやっぱり、聖霊に100%一任だろうな。
もちろん、法的措置など、現実にやるべきことはやるが、
やはり、まず、聖霊を通じてその兄弟へと結びついてゆき、
兄弟と一体となって、これは幻想で、起こっていない、
故に、そんな罪悪感を振り回す必要もないのだと、
ただ聖霊と一体となって祈るだろう。
そして、完全に最後まで聖霊に委ねきれるか、やってみる。
だって、もう二度と同じ夢は見たくないもん。
なので、帰りの電車の中で、きちんと明け渡した。
そして、ゲイリーの3冊目。、
初めのほうでパーサが〝あとで教えてあげるわ〟と、
もったいぶって言っていた、あの病気の治癒について
語っている章にやっと突入した。
肉体も幻想であり、よって病気もない、としながらも、
やはり、現実的に肉体を快適に保つために必要なことは
するべきだとして、5つの部位、足、臍、胸、耳、頭、
をマッサージするのがよい、と書いてあった。
でも、これって、中国のマッサージそのものじゃん。
足つぼや耳つぼマッサージの店はたくさんあるし、
マッサージに行けば、普通に頭も揉んでくれる。
垢すりでは臍も10分くらいかけて掃除してくれるし、
まあ、あとは、胸かな。
俺は男なので、胸を揉まれることは、そうそうない。
しゃーない。
こればかりは自分でやるしかないか…。