↑部下の女の子たちと。
右からケリー、『神の使者』を読破したふぁちゃん、
僕、シャオエン
昨日幻想世界で見た夢の物語は、
佛山工場の忘年会、と言うものだった。
毎年、春節前に、レストランをワンフロア借り切り、
お得意様や業者様を呼んで盛大に行なわれる。
この日は、女工さんもバッチリお化粧をし、
踊りやコントなどの出し物に参加した。
そして、様々な商品や現金袋が当たる、
大抽選会が始まると、盛り上がりはピークとなり、
その頃から、
アルコール度数が70%にも達する中国のお酒、
バイチューによる、恐怖の〝乾杯攻め〟が始まった。
中国では、宴会の席で乾杯を持ちかけられれば、
必ず受けなければならない、という慣習がある。
それも、一気呑みしなければならない。
バイチューに慣れていない日本人社員たちは、
中国人スタッフたちからの乾杯攻めを受け、
ばたばたと潰れてゆく。
日本人たちの介抱の任務を担っている僕は、
その頃から、廊下の隅にあるテーブルに身をひそめ、
手酌でひとり、ワインを飲むことにした。
実際、バイチューは非常に危険なお酒である。
アルコール度数が高いうえに、
メチルアルコールを混ぜた粗悪品も多く、
すぐに、胃や肝臓をやられてしまう。
それに、酔っているときの記憶が飛ぶので、
その間に怪我をしたり、事故や盗難にあう人も多い。
この日、僕を含めた数人の酔っていない日本人で、
酩酊状態にある他の日本人たちをタクシーに乗せ、
やっとの思いで部屋まで送り届けた。
↑ 優秀社員賞の表彰式
こんな酒席に参加するのは、本当に久しぶりだ。
そういえば、香港のスタッフと食事に行ったり、
佛山工場の人達と夜ご飯を食べるようになったのも、
ここ1年くらいのことである。
というのも、若い頃は、会社の何が嫌いって、
飲み会と残業ほど嫌いなものはなかった。
忘年会に新年会、部内の飲み会は全て不参加、
僕は管理部門なので、
業者さんから接待を受けることも多いのだが、
フィリピンカラオケで深夜まで接待となると、
もう、身体が震えるほど憂鬱になったものだ。
プライベートな時間が減るし、身体はしんどいし、
何より、自分でない自分でいるのが最も苦痛だった。
いまは全然苦痛ではない。
ということは、仕事中でも、飲み会の席でも、
どんなときも、素の自分でいられるようになった、
ということか。
今の日本は、だいぶ変わったとは思うが、
少し前までは上司から、ちょっと一杯、と誘われれば、
ついて行くのが常識だった。それも残業の後に、だ。
いま思えば、僕が外国で働きたいと考えたのも、
この日本特有の〝飲み付き合い〟が嫌だったから、
というのが一因していると思う。
まあ、5、6年前までの自分は、
会社にいる時とプライベートの自分を分け、
会社にいる時の自分は〝仮の自分〟で、
退社後の自分こそが本当の自分だと思っていた。
なので、一刻も早く本来の自分に戻りたい、と、
毎日、逃げるように帰宅していた。
それが、奇跡講座に出会い、赦しを実践し始めると、
会社の人も、親友と呼べる友人も、自分が赦すべき、
投影を見せてくれる聖なる兄弟に見え、
両者の間に差を見なくなってくる。
もっと進むと、家にいるのと、会社にいるのと、
そこにどんな違いがあるのだろう、
何で家にいる方がいいと思っているのだろう、
どちらも、夢であり、ウソではないか、と思い始め、
やがて、自分が騙されていることに気づく。
↑ クルミの饅頭。美味すぎて5つも食べた。
ここ最近、自分はいま夢を見ているのだ、
という感覚がますますリアルになりつつある。
自分に言い聞かせるのでもなく、
はっと我に返って、夢であることに気づくのでもなく、
もう、本当に24時間、これは夢だと知っていながら、
寝ている時に見る夢と同じように現実を生きている、
という感じである。
すると、周囲にいる人がみんな、本当には存在しない
夢の登場人物に見え、たいていのことは赦せてしまう。
そして、聖霊兄貴が常に寄り添ってくれていて、
これから本当に目を醒ますのだな、と実感すると、
すごく幸せで、うれしい気持ちがこみ上げ、
逆に、この夢を楽しめるようになってきた。
成功する必要も、何かを手に入れる必要も、
失うことを恐れることもないと解かっている状態。
しかし、なんという皮肉か、
心底そういう境地に至ったら、
逆にさまざまなものがやってきたりするから、
ほんとうにこの夢の世界、訳が分からない。