春節前の大忘年会以来の訪問だから、
かれこれ1か月以上のご無沙汰である。
香港事務所と同様、みんなにお年玉を配り終え、
財務室で仕事を始めてからしばらくして、
工場全体の雰囲気がおかしいことに気づいた。
みんな、普通に会話はしてくれるのだが、
どこかよそよそしいと言うか、沈んだ感じがする。
少なからず違和感を覚えたので、
「なんか、みんな元気がないみたいなんですけど…。」
と、海坊主総経理に訊いてみた。
海坊主総経理が教えてくれた話によると、
昨日、日本本社の製造統括センター長
(58歳/大手OA機器メーカーから転職1年目/
海坊主総経理の上司)が、〝緊急指令〟と題して、
現地スタッフの大幅人員削減を早急に実行するよう、
海坊主総経理にメールしたらしいのだが、誤って、
全スタッフ向け送信メアドを添付して送ってしまい、
この大幅リストラを指示したメールが、一瞬のうちに、
全従業員に一斉送信されてしまったのだという。
即行、海坊主総経理がセンター長に対し、
抗議のメールを返したのだが後の祭りで、
それ以後、みんなの不信感が募っているらしい。
当のやっちゃったセンター長は猛省しているようだが、
この話を聞いたとき 「何をやってくれてるんだ!!」
という憎悪の感情が自動反射的に出てきた。
その後に、自分でなくてよかった、という安堵が来る。
そして、最後にエゴの思考がぐんぐん湧き出してくる。
「現場の日本人たちが築いてきた信頼関係が、
ひとつのメールでぶち壊しにされた。」
「日中関係が悪化しているこの時期に、
組合を作られてストでも起こされたらどうするんだ。
製品が出荷できなくなって一巻の終わりだよ。]
「全部悪いのはあんただからね。
僕はどうなっても知らないからね。責任とれよ!」
赦しを実践するとか、しないとか、
聖霊に明け渡すとか、明け渡さないとか、
他者である自分を赦すとかどうとかよりも先に、
圧倒的な勢いでエゴの思考が〝ふっ〟と湧き出てくる。
この〝ふっと湧き出る想い〟を聖霊兄貴に差しだし、
導いてもらおうとしても、
ふっとくる想いはグングン僕の全身を凌駕してゆく。
気が付けば、
この件をコンババ管理部長に電話で報告していた。
そして、
一段落して財務室にある自分のオフィスに戻った時、
「ああ、もう自分は本当に狂ってる。」と思った。
何を言い、何をするか、どう思い、どう反応するか、
自分で制御などできるわけなどない、と観念した。
そんなことはもう、自分のコントロール外だ。
なぜなら、自覚した時には、すでにそれは、
〝ふっ〟と上がってきた後だからだ。
↓↓ 参照記事 ↓↓
〝ふっ…〟とあがってくるもの - 香港さんといっしょ! 純粋非二元を生きる
だからもう、
何を話すか、どう行動するかにフォーカスしても、
何の意味もないのだ、と心底観念した。
「僕は狂っているんです。正気に戻してください。」
と、聖霊兄貴を徹底的に思い出し、
やれやっちゃっただの、やれ赦せてないなどと、
四の五の言わず、ただマルっと丸ごと捧げてしまう。
個としての肉体の自分が意地悪であろうと、
憎悪の塊であろうと、コンババであろうと関係ない。
何かの行動を自分で止める、
などという芸当ははなから不可能だし、
不可能故にそれは自分が考えたことではない。
なので、つべこべ言わず、兄貴にさらけ出す。
それが聖霊に同調する、ということの意味であり、
狂気の自分も含めて関わらない、の真意である。
午後から、会計事務所の人がやってきた。
今年の会計監査と決算書作成の見積もり金額が、
去年の倍以上になっていたため、
価格交渉をすることになっていたのだ。
どう言えばうまく価格を下げてもらえるだろう??
あの人はこういう性格だから、先ずはこう言おう。
落としどころの金額はこのくらいかな。
ふっと出てくるものを止めようとするのではなく、
ただ、前を行ってください、と聖霊に捧げまくる。
「わて、狂ってまんねん。
そやから、兄貴、どないかしてください。」
状態で、会計士さんと、狂ったまま会話を続けた。
ただし、ここで言う「狂ってまんねん」状態とは、
僕たちが日常生活で常識的に行なっている、
エゴ的反応や行動形式のことである。
なので、会計士さんから見れば、
僕の受け答えは至極健常で、
普通の人と同じに見えているはずである。
今日学んだことは、
聖霊に同調した状態とはどういう感じだろう、
こういう時、聖霊的にはどうするのだろう、
と自分で答えを探しに行かない、ということだ。
自分はもともと何も考えていない。
この文章だって、
ふっと上がってきたものをただ書いているだけだ。
だから、聖霊に同調する訓練を続けていれば、
〝ふっ〟と上がってくる想い自体が、
聖霊経由のものとなる。
エゴからくる〝ふっ〟から、聖霊の〝ふっ〟へと、
湧き出る想いが変化してくるのだ。
なので、聖霊の声をどうやって聴くか、ではなく、
もう勝手に聖霊の想いがふっと湧き出てくる、
ということなのだな、ということを学んだ。
ああ、そういう意味で、会社はやっぱり、
僕にとっての天国強制帰還道場だ。
センター長を連れて帰還しよっと…。(笑)