大きな連休があるたび、会社員でよかった、と思う。
お金を貰いながら、安心して休めるからだ。
これぞ、会社員の唯一にして最大の醍醐味である。
まあ、毎年、イースターの祭日は食料を大量買いし、
家から一歩も出ずにお籠りをして過ごしているが、
今年も多分、家で、ワイン三昧、映画三昧、そして、
ちょびっと小説、という感じで過ぎてゆくのだろう。
と言うわけで、昨日、ジムの帰りに、
水虫のクスリ〝むくげチンキ〟を買おうと、
中国大陸系の百貨店へ立ち寄った。
ついでに、店内を一回りしてみる。
キッチュなものがたくさん並んでいて、面白い。
けばけばしいアクセサリーや食器、
個性的な中国家具、楽器に虫取り網、
春節の被りものまで売っている。
店員さんも落花生を食べながらお喋りをしてて、
なんだか、毛沢東時代の中国に迷い込んだみたい。
観光客用の洗練された中国百貨店もあるのだが、
断然ここの方が、チープで濃ゆい。
この百貨店、ジムの帰り道には必ず通るし、
まだまだお宝が眠ってそうなので、当分通うつもりだ。
で、これを買った。
ジャーン!シークレットシューズ!
身長167㎝の僕が、何と、178㎝になるのだっ!
履いてみたが、全く違和感がない。普通に歩ける。
ズボンの裾も、ちんちくりんにならない。
しかし、会社に履いていく勇気がない。
それはなぜか?WE CHATで一斉送信されるから。
で、ここ数日、赦しの対象になっているのが、
九州男爺、ならぬ、香港だんじい、たちである。
何しろマナーが悪い。目つきが悪い。
最も性質の悪いのが、60代〜70代の老人たちで、
逆に高校生や大学生の方が礼儀正しく親切である。
例えば、
バスを待っている列を無視して我先に乗ろうとする。
何も買わないのにマックのボックス席を占領する。
信号は赤でも渡る。轢かれそうになると怒りまくる。
公園で子供がボール遊びをしていると、
保安員を呼び迷惑だからやめさせろとわめく。
子供同士の鬼ごっこもだめ、
シャボン玉もダメで、ベンチも独り占め。
乗り物で、空席がひとつしかなければ、
妻が杖をついていてヨロヨロしてても、自分が座る。
レストランで、店員のサービスが悪かったり、
料理が遅かったりすると、必ず文句を言い、
タダにさせたり、何かオマケをつけさせようとする。
他の多くの香港在住日本人ブログでも、
目に余るこれら利己的な老人がよく登場する。
そして、なぜか、そういうことをするのは決まって、
60歳代から70歳代の男爺で、
他の世代の人たちは、絶対にそんなことはしない。
僕が思うに、彼らがまだ若かった頃の香港は、
イギリスをはじめ、多くの列強に統治されてきた。
また、役人の汚職や香港マフィアなど、
中国人の庶民は搾取され続けてきた。
そんな彼らは自分たちの家族や生活を守る為に、
時にはずる賢く立ち回り、時には奪いながら、
戦々恐々と生きてきたのだろう。
年金もないので、歳を取れば子供に頼らざるを得ず、
香港のお年寄りの生活は決して楽ではない。
80歳くらいの人でもタクシーの運転手とかしている。
と、ここまで書いて、
これが赦すべき自分なのだと、認識する。
外部に現れている、
自分の無意識の投影物としての香港だんじいを、
しみじみと観察し、罪はなかった、と赦してゆく。
それから、兄貴の訂正と取り消しを受け入れる。
でも、なんで今さら香港だんじいなのだろう。
彼らの存在は、もう何年も前から認識していたのに、
なんで今ごろになってヒットしてくるのか。
全く訳がわからない。
でもまあいい。
粛々とやってゆくのだ。