↑広州の路地裏の夜
♪広州か〜ら、上海ま〜で、あなたを追って…、
北へ流れて、行く〜〜、おーとこ〜♫♪
と、藤圭子の『京都から博多まで』の替え歌を
口ずさみながら、上海行きの飛行機に揺られるボク。
この日は、
香港で会計士さんと決算書の確認を行なったあと、
直通列車で広州へ移動し、
そこで弁護士事務所との打ち合わせを終えると、
即行で空港へ向かい、夜便で上海へ移動するという、
まるで売れっ子アイドルのような、
分刻みの超過密スケジュールな一日を過ごした。
多分、大いなる赦しの日が済む8月半ばまでは、
こんな暮らしが続くとみられる。
今回の上海出張では、
先週、上海事務所の総経理が去ったため、
その役員変更の手続きと、あと、
ひとり残された事務員さんが持っている、
社印や銀行印、権利書などを回収する、という、
重大で気の重い任務を帯びていた。
その事務員さんは、来週社長自らが上海へ赴き、
契約の中止を通告する。
その後、上海事務所はペーパーカンパニー化される。
去ることが決まっている人(当然本人は知らない)と、
将来的な業務の話をするのは、やはり辛いものだ。
彼女がこの事実を知った時、どう思うだろう。
本人にとっては当然承服しかねることではあるし、
少なからず本人の人生を変えてしまうことにもなる。
知った瞬間、松居一代のように豹変する人を、
これまで何人も見てきた。
その一方で、これだけ中国人の賃金が高騰し、
労働法や外貨規制が厳しくなってくると、
中国でビジネスをする意味があるのか、と、
経営陣も究極の選択を迫られることになる。
ただ、今回の出張は、
絶対兄貴に委ね切る、と決めて臨んだ。
なので、兄貴に明け渡しつつ、その時々に〝ふっ〟
と内部から出てくる想いや言動に従って行動した。
だが、それは、
逐一、この事はどういうことですか、と聖霊に質問し、
答えを待ってから行動する、という事ではない。
第一、そんな悠長な事をしている暇なんてない。
聖霊兄貴に任せたうえで、その時に自分の中から
出てきた感情に従って行動するということだ。
僕が何から何までトレーナーに任せたら、
2か月で腹筋割れマッチョになった(近日成果を公開)
のと同じ要領で、一旦聖霊に任せたら、
兄弟に対し、たとえどんな感情がこみ上げてきても、
それに従う。
兄弟に怒りをぶつけたければそうする。
たとえ言い争いになっても、どうにかしようとしない。
自分の思いや言動を、自分の判断で抑制しない。
それがたとえネガティブな言動であってもだ。
聖霊に任せるということは、
愛と慈愛に満ちた行動を取るということに限らない。
他人に穏やかな様子を見せる必要などないのだ。
殺意を覚えた自分さえ兄貴に捧げ、放っておく。
それが、聖霊にすべて明け渡すことだと思っている。
大丈夫。本当に人を殺したり、死んだりしないから…。
で、上海事務所で、事務員の女の子と二人、
法人印、社判、財務印、契約書類を確認してゆく。
だが、財務印だけがどうしても見当たらない。
彼女曰く、先日去った前総経理が持っているという。
そこで前総経理に電話をすると、
財務印の存在自体知らない、と言われた。
この財務印がないと、上海事務所の一切のお金が
引き出せない。当然、全ての支払いもできない。
裏を返せば、会社のお金を引き出せてしまう。
もし彼女が財務印を持っていてウソをついていたら?
もし彼女と元総経理が結託していたら?
そういう、勝手に出てくる想いを聖霊に放出し続ける。
一度、思い切り出すに任せて、じっと観察するのだ。
一切の判断をせず、自動的に兄貴に渡す。
すると、僕の場合、
聖霊に任せたからもう解決した、みたいな、
根拠のない確信と安堵感がこみ上げてくる。
銀行に紛失届を提出し、再度印鑑を作るしかないな、
という想いが〝ふっ〟と上がってくる。
彼女にその手続きを頼むと、
それには、社長が一度上海に来て、
手続きのサインをする必要があるという。
そんな感じで怒涛の上海一日目は終わった。
そして、夜はちょっと、あんなことや、こんなこと、
でもしに行こうかな、とホテルを出たのだが、
タクシーが全く捕まらないのと、
そうこうするうちに大雨が降ってきて、
結局、ホテルで爆睡した僕であった。