今、街録ch~あなたの人生、教えてください~
というYOUTUBEチャンネルにハマっている。
かなりハードでアウトな人生を歩んできた人たちが、
街角の公園や公共スペースにふらりとやってきて、
自分が歩んできた人生を語り、ふらりと帰ってゆく。
刑務所を脱走して、数十日間逃亡していた服役囚が、
幼少期からの壮絶な家族からの虐待や、
鑑別所内でのすさまじい体験を赤裸々に語ったり、
遠野なぎこ、米良美一、オリラジ中田、杉本彩、
といったヤバ系芸能人も多数出てきて、
それはもう、信じられない人生を顔出しで語るのだ。
また、インタビューする側も、ピンポイントな質問を、
容赦なくぶつけまくるので、ここをもっと聞けよ、
というようなストレスを見ている側に感じさせない。
これら、壮絶な人生を語る人たちを見ていて思うのは、
彼らの表情に一種の〝明るさ〟が漂っていることだ。
よくそれで死なずに生きてこられたなあ、というような、
凄まじい体験を〝まあ、ちょっと大変でしたけどね〟
くらいの口調で淡々と語る彼らの達観した在りように、
一種の解脱しきったいさぎよさを感じるのだ。
これはあくまで僕の推測に過ぎないのだが、
彼らは、幼少期から、虐待や暴力や病気など、
過酷すぎる状況が常態化した中で育ったため、
この状況を受け入れて生きざるを得なかったので、
凄惨な境遇に慣れきってしまっている。
いくら自分が抵抗しても、誰も助けてはくれないし、
自分で状況をコントロールすることなどできない、と、
人生の早い段階で〝悟って〟しまっているのだ。
なので、彼らの表情から放たれる淡々とした明るさは、
人生を完全に受け入れるしかなかったことからくる、
ある種の悟りのような明るさなのではないか、と思った。
また、彼らは過去に体験した〝記憶〟を語っている。
そして、
記憶に付随して湧き出る様々な憎悪や罪悪の想いを、
ただ、消えてゆく姿として眺めることができた時、
記憶は、自分の頭の中にしか存在しない、
単なる夢の映像であり、何の力もないことが分かる。
そういう意味で、
何も考えられないくらい過酷な人生に身を置いた人は、
最も天国の近くにいる人たちなのかもしれない。