香港さんといっしょ!ー純粋非二元で目醒めを生きるー

欲望都市香港で覚醒した意識で生きることを実践中。今回を最後の生にするための日常を綴っています。

エゴ依存症



とうとう、佛山工場の残務整理が終わり、

工場を企業園区の大家さんへ返す日がやってきた。

本当は10月24日で契約は終了しているのだが、

残務整理が済むまで、タダで居座らせて貰っていた。

海坊主総経理とふぁちゃんは、裏の宿舎へ移り、

そこの一室で事務業務をすることとなる。

そして、海坊主総経理は今月末で会社を去る。

一番お金のかかる大学生と高校生の子供がいる

ということで、本人にとっては不本意な退職となるが、

それでも、政府との交渉事もきちっとこなされ、

残務整理や売掛金の回収に奔走する姿には、

自身の仕事に対するプライドが感じられ、

本当に頭が下がる思いである。

というわけで、新しい仮事務所となる宿舎を、

ふぁちゃんや海坊主総経理と見に行った。

部屋には管理所の男性が二人来ていた。

部屋は埃だらけで、もともと宿舎だったため、

ベッドや食卓のテーブルなどが置いてある。

トイレも和式だ。


しかし、我々はここを事務所として使用するので、

ベッドとテーブルを撤去してほしい、と言ったら、

管理所の男が、これは備え付けのものなので、

撤去はできない、という。

一時的に、他の空いている部屋に持っていけばいい、

と言っても、だめだ、の一点張りである。

ベッドがあれば、机やコピー機を配置できない。

いかにもお役人っぽい、もん切り口調な言い方に、

一瞬、カーッと来て、思いっ切り罵った。


ここが、読者の方々からご都合スピリチュアルだと、

批判を受けるところではあるのだが、

僕としては、罵りながらも、すでに赦している。

だって、この罵りたい想い(死ねばいいのに)は、

すでに、自動的にふっと湧いて出てきたものなので、

相手に言わなかったからセーフ、というものではなく、

怒りを相手に表現してもしなくても同じなので、

これはとっても奇妙な言い方なのだが、

罵っている自分も無罪だと認めて出るに任せている。

その間、兄弟である職員に対しても、どこか彼らを、

何でも受け止めてくれる神(父)のように見ていて、

安心のうちに罵っているような感じである。

そうこうするうち、

職員が、じゃあ別の部屋を見せるよ、と言いだした。

斜め向かいの部屋だった。

そこはベッドも何もない、がらんとした部屋で、

オマケにベランダの向こうには大きな木があり、

風通しもよくて、なんかすごくいい感じである。

なんで初めからこっちを紹介しないんだよー、と、

またまた文句を言うボク。


というわけで、中国に工場が無くなってしまい、

あとは無人の上海事務所のみ、となってしまった。

僕の夢の世界から、中国が消えてしまった。

来年からは中国出張もなくなるだろう。

佛山から戻り、その足でトレーニングに向かった。

パーソナルトレーナーの指導の下、

肉体改造を開始してちょうど半年が経つが、

85cmあったウエストは72cmとなり、

体重も、66kgから58kgまで減った。

一番嬉しいのは、あごのラインがくっきりしたこと。

それまで自分の顔はたまご型だと思っていた。

最初はチョー辛かったトレーニングも、いまでは、

チョー気持ちいい、と思えるようになってきている。

何より、街を歩くのが好きになった。


ところが、トレーナーの話を聞いていると、

最近は、筋肉痛になるような負荷のかかる運動や、

心拍が上がるちょっときついトレーニングを

嫌がるお客さんが増えているのだと言う。

今日もある女性のお客さんから、

しんどいのはやめてほしいんですけど、

と言われたとかで、トレーナー氏はちょっと凹んでいた。

しかし、そんな人に限って、痩せなかったりすると、

あのトレーナーはだめだ、全然成果が出ない、と、

あちこちで言いふらしたりするらしい。


まあ、トレーニングに来て、しんどいのはイヤって、

何のためにやってるんだ、と言いたくなるが、

でも、みんな多かれ少なかれ、

自分を変えたいと思っているにもかかわらず、

自分のやり方ではどうにも成果が出なかったから、

お金と時間を割いてトレーナーを雇ったわけで、

それなら一度100%専門家に委ねてみようよ、

という話である。


僕の経験では、最初の1か月間がすっごく辛かった。

もうやめたい、と何度もトレーナーに弱音を吐いた。

それでも、

「ちゃんと計算して負荷をかけていますから、

 できないはずありません。

 それに、ちゃんと僕が補助してますから大丈夫。」

というトレーナー氏の励ましの下、

なんとかこらえて続けてゆくと、

ある時点を境に、辛さが次第に軽減されはじめ、

そこから、肉体がどんどん変化し始めた。

いま思えば、最初のあのキツイ時期は、

突然、急激な負荷をかけられた肉体が、

ビビッて、必死の抵抗を試みていたのだろう。

食事も、グルテンの摂取をやめた頃は、

まるでヤクが切れた中毒患者のように苦しかったが、

それでもトレーナーの指示を守っていると、

逆に、そんなにほしいとも思わなくなり、

それに伴い、体も軽くなっていった。

トレーナーが言うには、小麦には中毒性があり、

それが抜けたのだ、ということだった。


赦しの実践も、きっと同じなのだと思う。

赦しを始めると、必ず、

「こいつ。一体。何を始めやがったんや!」

と、危機を感じたエゴから、

猛烈な抵抗と反発を食らう時期を通過する。

そこを何とか根性で通過してしまうと、

あとは案外ラクに兄貴の軌道に乗れるようになる。


聖霊にほんの少しの意志を差し出す、とは、

エゴ依存を解毒するための、

最初の一か月の事を言っているのかもしれない。