朝から雨が降り、気温も2度という寒さの中、
この日は、僕にとっての大いなる赦しの銀行、
〝中国工商銀行上海虹橋支店〟へ、
上海合弁会社の新たな法定代表人
(取締役社長=なぜか僕)の印鑑登録をしに行った。
雨と寒さに加え、朝の通勤ラッシュの時間が重なり、
タクシーが全く捕まらない。
タクシー乗り場には、近くの展示会へ行く外国人が、
何十人と列を成していた。
WE CHATを使ってタクシーを呼ぼうとしたが、
すでに、30人以上がウェイティング登録している。
このままでは、銀行の予約時間に間に合わない。
そこで、
超割高だがWE CHATのハイヤー機能を使い、
ハイヤーを呼んでみたら、10分で来てくれた。
予約を完了すれば、
車のナンバーとケータイ番号が送られてくる。
地図で互いの位置を確認しながら探し、
料金も銀行口座とリンクさせたケータイで支払う。
中国の口座と中国のケータイとWE CHATがあれば、
少なくとも上海では快適に事が運ぶ。
同じホテルに泊まっていた他の外国人の人たちは、
みな、タクシーを捕まえられず難儀していたから…。
↑銀行ごとに違うネットバンキング用のUSB
いつでも支払いができるよう、常に持ち歩く。
銀行についてみると、会計事務所の人が待っていた。
前回協力してくれたエマさんは退職し、
代わりにキャシーさんが手続きを手伝ってくれた。
しかし、財務印、会社印、営業許可証、納税許可証、
など、準備万端で臨んだにもかかわらず、
口座開設許可証なるものがなかったため、
代表印変更の手続きができなかった。
聞けば、口座開設許可証を再発行するには、
まず新聞に、許可証を失くしましたという広告を打ち、
その後、再度銀行で発行手続きをするのだという。
さっすが大いなる赦しの銀行、ハウ、ワンダフル!
と、思わず倉田まり子みたいに叫びだしてしまった。
↓↓前回の上海出張の記事はこちら↓↓上海兄弟 - 香港さんといっしょ! 純粋非二元と奇跡講座を生きる
その後、招商証券という証券会社へ赴き、
これまた、上海の会社の法定代表人の名義を、
以前の総経理から僕に切り替える申請をした。
ここも最初、なんちゃら証明書という書類がないので
手続きはできないと言われたが、
そこはキャシーさんが頑張って交渉してくれ、
なんとか手続きを完了させることができた。
その後、
僕のスマホに証券会社のアプリをインストールし、
今回、僕が社長になった会社が管理、保有している
別の上場会社の株(十億円くらい)を、
僕のケータイで管理することが可能になった。
何億円もの株の売買を自分のスマホで行なうなんて
どこかヴァーチャルっぽく、逆に安易すぎて怖い。
そういえば、上海にいる間、現金を使っていない。
路上で焼き鳥を売ってる兄ちゃんにさえ、
スマホでお金を払っている。
便利だけど、代価を支払っているという感じがせず、
昭和の僕には、まだちょっと違和感が残る。
夕方、ホテルに戻り、コンババ管理部長に電話をし、
スマホで株式売買ができるようになった旨を伝えた。
( これまで、このブログに登場する他の部長と
区別するためにそう呼んでいたけれど、もう兄弟を、
コンババ、などと呼んではいけないね。)
すると彼は、株数が少ない、おかしい、と言いだした。
彼は社長に倍以上の売却額を報告していたようで、
実際の中身を知ってその額の少なさに驚愕し、
以前の総経理が勝手に株を売ってしまったのでは、
と、かなり、びゅんびゅん動揺している様子だった。
一応、聖霊を僕の前に置いて、委ねたままにする。
誰も、何もしていない故に、無罪であることを、
自分の心の中に見出す。
その上で、兄弟が平安を求めているのであれば、
素直に平安を差し出そう(延長させよう)と決めた。
確認します、と言って一旦電話を切り、
証券会社へ問い合わせた。
担当者曰く、アカウントに表示されているのは、
今年売却可能な50%分の株式だけで、
残りの50%は、今年10月まで凍結されており、
10月になれば画面に自動表示されるので、
心配はいらない、ということであった。
すぐに、コンババ管理部長に電話をしなおす。
ここで、いつもの僕なら
「実はちょっと大変な事に…、なあんてうっそー!」
と、相手をからかうような言動を取るのが常なのだが、
今回はもう、素直に兄弟へ平安を差し出した。
たとえ冗談でも、兄弟を動揺させ、
兄弟から平安を奪ってはいけない、と思ったのだ。
「もし、株式売却金額が間違っていたら、
資金繰りが全部立ち行かなくなるからね。
本当にハラハラしてたんだ。もしそうなったら、
もう、黙って会社から消えるつもりだったよ。」
と、彼は心底ほっとしたように言った。
そう。
もう彼は、馬鹿が付くほど真面目な兄弟なのだ。
そして、それが、
僕の心の中の一つの側面であることがうれしい。
だから、兄弟が安心していると、僕も安心でいられる。