2月に財務担当のケリーが辞め、
後任の女性も出勤第一日目に出勤してこず、
次に採用した女性もなぜか1週間で辞めてしまった。
そしてシッピング担当のアップルも、
昨日が出社最終日で、結局香港事務所は、
日本人総経理と僕、そして、営業のエドワードと、
男ばかりの3人となってしまった。
そして、いまはもう、旧暦の新年が明けて以降の、
この笑ってしまう展開に、完全コーサン状態でいる。
これまでなら、兄貴に委ねる、とか言いながらも、
他に人材をあたってみたり、本社に応援を頼んだり、
色々と対策を練って動き回っていたのだろうが、
今回はあまりにもわざとらしすぎるので、
無駄な抵抗は止め、何もせずに放っておくことにした。
夢の世界を、夢として、起こるがままにしておくのだ。
というわけで、以前ケリーがやっていた仕事を、
今週からは、全て僕一人でやることになった。
朝、郵便受けから郵便物を取り出し、
請求書をチェックしてから、支払伝票を切る。
小切手や送金手続書を作成し、自分でサインをする。
封筒に切手を貼って小切手を郵送する。
業者とインボイスや支払いのやり取りをする。
その他、銀行へ行ったり、資金繰り表を作成したり、
財務諸表を作成したり、ファイリングをしたり、と、
チマッとした事務作業を淡々とこなしてゆく。
ただ、会計入力だけは、外部に委託することにした。
最初はどうなるか、と思ったけれども、
やってみると、これが案外おもしろい。
わりと整理魔なので、書類がこんがらがることもない。
しかし、業務量が多く、慣れないこともあって、
今週はずっと残業の日々である。
ただ〝仕事に追われてる感〟は全くなく、
何ていうか、夢の世界の残務整理、という感じで、
〝終わってゆく夢〟を確認しながら仕事をしている。
それでも、出てくるものは出てくる。
〝みんな辞めて行くのは、僕のせいなのかな。〟
〝そういえば、些細なことで叱責したことがあったな。
だから、僕の下で働くのが嫌になったのかな。〟
〝給料を上げて再度募集してみようか。〟
〝自分はここに居続けていいのだろうか。〟
今は、もう昔のようにびゅんびゅんすることはないが、
ふとした瞬間に、自我の想いがぽっと上がってくる。
その思いを打ち消したり隠蔽するのではなく、
自動反射的に起動している自我の設定を、
ただ終わってゆくもの、として兄貴に完全委譲する。
どうすることが一番ベストかなんて、
〝エゴの設定の自分〟には解らりっこないのだし、
たとえ自分でどうしたところで真の平安は得られない。
だからもう、兄貴に操縦桿をすべて明け渡し、
イエス、と言って全部受け入れるのだ。