なんだか、この連休中は、
ずっと酔っぱらってたような気がしないでも〝ある〟。
そんな中、日大アメフト部の悪質タックルの選手、
宮川泰介氏の記者会見をリアルタイムで見た。
ニュース専門チャンネルで見たので、CMも入らず、
最初から最後まで、全部視聴するすることができた。
客観的事実を証明する証拠を検証して云々…、と、
コメンテーターはもっともらしい事を言っているが、、
本人がちゃんと真実を述べているかどうかなんて、
態度、表情、声、言葉、を見てれば分かるものだ。
民放のニュース報道番組だと、
こま切れにカットされ、ナレーションだらけなので、
彼の素直さや誠実さがあまり伝わってこないのだが、
こうして全会見を〝通し〟で見ていると、
20歳になったばかりの、学生である一青年が、
震えながらもたった一人で、
真摯に真相を語る姿がリアルに伝わり、
自然と涙があふれると同時に、胸が痛んだ。
レポーターがいくら誘導しようとしても、
とにかく、監督やコーチの悪口を一切言わないのだ。
このひたむきさには本当に頭が下がる。
「この青年が今後素晴らしい人生を送れますように」
気が付けば、心の中で強く祈っていた。
被害者側は、刑事告訴も辞さない構えらしく、
今の彼にしてみれば、
人生最悪の展開ということになるのだろうが、
これが最悪かどうかなんて、
そんなの、本人をはじめ、誰にも解からない。
決して憎悪や怒りを他者(監督や日大)に向けず、
自己のみに焦点を当てながら謝罪する姿に、
彼は、案外、兄貴の采配のもと、なにかひとつ、
大きなものを手放した(赦した)ような気がする。
なので、会見の終わりごろには、
別にこの青年を被害者と見る必要などないのだ、
と、思うに至った。
彼は今回のことで、
〝被害者加害者ゲーム〟から降りたのだ。
僕たちの夢の日常で起こる様々な理不尽さ、
例えば、権力や、お金や、外的圧力からくる恐怖、を、
こういうカタチで見せてくれた有り難い兄弟である。
「この人に逆らったら自分の将来に影響する。
だからこの場は、言われた通りにやっておこう。」
「あの人から頼まれれば、イヤとは言えない。
なんとか、当たり障りのない口実はないか。」
「ただ上からの指示に従っただけ。自分は悪くない。」
など、この選手ほど強烈ではなくても、
普段の僕達も、彼と五十歩百歩の事を経験している。
それも、無意識のうちに…。
なので、こういう世間を賑わす大きな事件を通して、
〝罪悪感ごっこ〟をしている自分の心の中を捉え、
罪悪感はだたの思い込みだった、
と、兄貴に委ね、赦してゆく。
それから、夢の中の出来事を深刻化しない、
ということは非常に大切だなあ、とも感じた。
まあ、これを、アメフト命の若い青年に当てはめても、
見当違いなのは重々承知で言うのだが、
彼だって、自分の周囲で起こっている事を、
ここまで深刻に捉えなければ、こうはならなかった。
「はあ?監督、なに言ってんスかっ?」で終わりだ。
最近は、テレビの登場人物と、近しい友人との間に、
差がなくなっている。
どちらも、同じ、無辜の聖なる兄弟として観ている。
表面に貼りついている〝個の設定〟を無視すれば、
あとは同じ〝ハート〟だけしか残らない。
全てを個として観なくなっているのであれば、
宮川選手の会見を見て涙を流すのはおかしい、
と思う人もおられるかもしれないが、そうではない。
これがまた、
うまく説明できなくて困るところなのだが、
夢の出来事の全てに意味を見出さなくなってきても、
(僕の場合、まだ完全ではないのだが…。)
この人はいま、こういう状況に置かれた誰々さん、
という設定はちゃんと認識でき、
それに沿った話や感じ方はきちんとできる。
それでも、個の自分や個の他者は消えている。
(すみません。言葉の限界でうまく表現できない。)
まあ、そういう認識すらできなくなったら、
普通の社会生活どころか、
蝶々が飛んでいるぅー、の世界となり、
精神病院行きだと思われ…。(笑)
まっ、それでもいいけど…。
(↑お前は良くても周りが困るわっ!)
最後に一言、
「兄弟泰介!
ニセモノの自分になんかに負けるなっ!」