香港さんといっしょ!ー純粋非二元で目醒めを生きるー

欲望都市香港で覚醒した意識で生きることを実践中。今回を最後の生にするための日常を綴っています。

愛を乞うひと


↑ クラーク空港の搭乗口で盲人按摩をやっていた。
  30分400円。気持ちよさそう。


毎度おなじみ、

二泊三日のフィリピン出張へ行って来た。

いま、クラーク国際空港前にあるコーヒーショップで、

これを書いている。

7月のフィリピンは雨季のど真ん中、

数時間おきに大雨が降り続く毎日である。

今回の出張ではある出来事が起こった。

最近、文章で状況描写を行なうことが、

ますます困難になりつつあるボクであるが、

頑張って書いてみることにする。


フィリピン工場は、数年前に、別の会社へ譲渡され、

すでにうちの工場ではなくなっているのだが、

近頃、出てくる財務諸表が雑になり、

お金の流れも不透明になってきた、と、

譲渡先の専務(女性/60歳)が指摘しはじめた。

しかし、譲渡先の会社にも、フィリピン工場にも、

財務分析のできる人材がいなかったため、

うちの会社がその譲渡先の会社と顧問契約を結び、

譲渡先の会社の顧問をしている男性と僕で、

出張ベースで財務諸表作成のサポートをしていた。

で、前回同様、顧問と一緒に工場を訪問してみると、

日本人の財務マネージャーが入社していた。

50歳、独身、スキンヘッドで、肥っている。

外見は、眼鏡をかけた安田大サーカスのクロちゃん

といったところか。

聞けば、毎日怖―い専務(笑)から責められ、

切羽詰まった工場長が、現地採用で雇用したという。


「これで安心。」と思ったのも束の間、

おっとどっこい、この新人クロちゃん、

なかなかの、くせ者であった。


「経理の女の子に言って、去年の売上高を、

月表にしてまとめてください。」(工場長)

「それは、僕が入社する以前の数字なので、

責任が持てないから、できません。」(クロちゃん)

「ちょっと、こういう表を…。」(工場長)

「それは工場長でもできるでしょう。」(クロちゃん)

そして、僕が会議室で彼と打ち合わせをしている時、

「この今期の表に入っている数字を全て消去して、

 来期用の空の表に作りかえてくれませんか。」

と、何気なく言ったら、

「もし、僕がやって何か間違えがあったら、

 大変なので、それはあなたがやってください。」

と来た。


その様子を、向かいの席で見ていた顧問が、

「だれも、あなたの責任になんかしないから。

 これからは自分たちでやって行かないと…。」

みたいなことを言った辺りから、二人押し問答となり、

「あなたももっと財務を勉強したほうがいいですよ。」

というクロちゃんの一言に切れた顧問が激高し、

「もういい。出ていけ。」でフィニッシュ。

こんな光景を目の当たりにすれば、以前の僕なら、

怒りや憎悪で、みぞおちがびゅんびゅんする筈だが、

女性のようなソフトな声で、

両手を胸の前で、パーにして小刻みに振りながら、

「やりません。やりません。ぼくできません。」

とやる、クロちゃんの分かり易い姿が、

完全に〝愛を求める声〟として見えていた。

どう見ても、「怖いよー。」と、愛を求めて、

バタバタやっているようにしか見えないのだ。


もちろん、色々な感情は、何度も上がってはくるが、

ただ、聖霊と共に、起こっていることを観ていると、

即座に慈愛へと変換されていってしまう。


そうやって、

新人クロちゃんに扮した〝ボク〟を赦し、

自動的に〝ひとつの心〟へと戻る様を見送った。


でも、僕の、これまでの赦しのパターンから行けば、

多分クロちゃんは近々〝消える〟と思われ…。(笑)

この後、顧問と一緒に海辺のレストランで食事をした。

ワインやシャンパンなど、三本くらい空けた。

今年還暦を迎える顧問は、

ソフトバンクの役員も歴任したことのある、

様々なビジネスの修羅場をくぐってきた、

かなり経験豊富な戦略家である。

それでいて、威張ったところもまったくなく、

話もすっごく面白い。


↑チーズケーキアイスクリームを注文したら、
 こんなのが来た。分かりやすい甘さ。

というわけで、

起こっている出来事が意味をなさなくなってきた今、

いよいよ、描写的な文章が書けなくなってきている。

起こっていることを事実として、

リアルに表現できなくなってきているのだ。

もうモノ書きとしては、致命的だな。

と同時に、ちょっとうれしくもある。

何かを達成することに価値を見出さなくなってきた。