思わず口走ってしまいそうなくらい、
内面の変化が目まぐるしい今日この頃である。
日本は猛暑のようだが、今年の香港は冷夏である。
夜は24度まで気温が下がり、エアコンも要らない。
そのかわり、雨がすごい。毎日集中豪雨が降る。
そんな中、是枝監督の 『万引き家族』 を観てきた。
ただ万引きをして生活する一家の話だと思ってたら、
おっとどっこい、そんな薄っぺらなものではなかった。
家族とは何か、結びつきとは何か、愛とは何か、
なんだかすっごく切ない映画だった。
特に、安藤さくらの演技がすごかった。
ただ、うなづいたり、普通に道を歩いてるだけなのに、
観ている者に様々な感情を想起させる。
すごい女優さんが出てきたものである。
今日、会社の帰り、地下鉄の改札口で、一時間ほど、
何をするでもなく、行きかう人々の群れを眺めていた。
ひとりひとりの個人には焦点を合わせず、
視点をオープンフォーカスにして、ぼんやりと眺める。
人の動きが、まるで粒子が動いているように見える。
これ全部、
僕が意識を向けてる間だけ立ち顕れる幻影なんだ、
と、不思議な感慨を抱きながら観察していた。
そのとき、自分は今、
天国(ハート)から、無を凝視しているのだ、と思った。
ハレ師匠の、AさんBさん高速一人芝居ではないが、
今日も、いろいろな仕事のやり取りをしたのだが、
自分で自分に話しかけ、自分が自分に語りかけてくる
という感覚の中で過ごしていた。
それでも、仕事はちゃんとこなせるから不思議だ。
まあ、自分が自分と会話しているのだから、
どうとでもなる、と言えば、どうとでもなるのだが…。
しかし、右脳が主動権をとり始めるにつれ、
広東語や北京語や英語などの、
〝習得された言語〟が話せなくなってきている。
いつもなら、すらすら出てくるフレーズや単語が、
うっ、と詰まって、出てこない。
今日も、オフィスの入り口の前に敷く、
玄関マットを購入しようと金物屋に立ち寄ったのだが、
(秘書のケリーはもういない…。)
「玄関マット」 という広東語がどうしても出てこず、
門の前に四角い布を置いて靴底をきゅっきゅするやつ
(これを広東語で言う方が大変だと思われ…)
と必死で説明し、店のおっちゃんにため息をつかれた。
多分、感覚的なものをつかさどる脳の部分と、
言語をつかさどる部分は、別機能なのかも…。
というわけで、来週は、またまた東京出張である。
日本は暑いらしいが、来週はどうなんだろう。
「兄貴に全托していたら、
東京は36度の猛暑日なのに、僕だけまるで、
秋のような爽快さの中にいた…。」
なんて、次のブログで書いてみたい!(笑)
(↑ はい、アウトーッ!from 兄貴)