👆 新世界市場のポスター(お茶屋さん編)
いま、浪速区の新世界にドはまりしている
新世界にある学校へ移ろうとも思っている
一か月以上、舌にできた口内炎が治らなかったのだ。
最初は、右側の舌の裏に一個、大きいのができ、
それから右側、舌先、と口内炎は増えて行った。
授業で講義をしていても、歯が潰瘍に擦れて痛い。
食事をしていても、痛みでちゃんと味わえなくなった。
それに、口内炎になど、ここ何十年なったことがない。
それでもまあ、そのうち治るだろうと、放っておいた。
しかし、一向によくならないので、耳鼻科に行ったら、
薬を使用して、治らないようなら、紹介状を書くので、
大きな病院で病理検査をしましょう、と言われた。
👆 新世界市場のポスター(ケーキ屋編)
どんな人間もどーんと受け入れてくれる
懐の大きさが好き!
そんな時、インスタのリール投稿を見ていて、
色んながんの初期兆候一覧、みたいなのがあった。
何気なく見てたら、舌がん⇒口内炎2週間以上とある。
がが、がーん!一瞬、体がしびれた。
そういえば、あの耳鼻科の先生、なにか意味深だった。
病理検査に回すとか言ってた。まさか、がんの疑い?
そういえば、堀ちえみがそうだったような…。
ああ、俺には無理だよう。無理!絶対に無理!
👆 新世界市場のポスター(洗濯屋編)
それからはもう、がんモードにはまってしまい、
何をしてても、心の中は恐怖と憂鬱で一杯になった。
うちの家系はみんな老衰で死んでいるのになぜ?
電車の車内で、年配の人を見かけただけで、
この人の年まで自分は生きられないんだ、と思ったり、
今後普通の生活ができなくなる自分に切なくなったり、
授業をしている時も、明瞭な発話ができなくなれば、
先生も辞めざるを得ないんだ、と悲しくなったり、
とまあ、なんていうか、生きた心地がしないのだ。
さっさと病院へ行けばいいのだが、それもまた怖い。
ひょっとしたら、明日には治っているかもしれない、と、
無為な希望を抱きながらも、失意の中で時は過ぎる。
👆 新世界市場のポスター(婦人服店編)
ただ、僕の場合、がんかも、という解釈が、
ふっと何の脈絡もなく湧き上がってきていて、
そこに自分はいないことは明らかになっているので、
今この瞬間、不安なら不安のまま、怖いなら怖いまま、
医者に行きたくないなら行かないまま、ただただ、
そのままの流れを流れのまま過ごすことはできていた。
的確な表現ではないが、なんていうか、
死ぬかも、怖い、生きた心地がしない、絶望、が、
瞬間瞬間、ふっと出て来てるだけ、みたいな…(爆)
👆 新世界市場のポスター(魚屋編)
そんなとき、ふっと、あるお医者さんの顔が浮かんだ。
30数年前、懇意にしていた耳鼻科医の知人である。
僕よりかなり年上なので、今は67~8歳くらいか。
もう引退しているかも、と思いながら検索してみると、
京都のすごい田舎の方で開業医をされていた。
どうせ死ぬのならこの人のもとで、と思った。
それで、ウェブで予約を入れ、授業のあとに、
電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、二時間近くかけて、
彼がやっているそのクリニックへと向かった。
(眠いので次回へつづく…)