と聞かれれば、自炊を始めたことだろう。
自炊と言っても、自分でご飯を炊くだけなのだが、
僕にとっては大きな進歩だ。
漬物でご飯→卵がけご飯→レトルトカレー→
ラーメンライス→卵焼き→チャーハン
と、進んでいければ、と計画している。
精神の反応が肉体の感覚に顕れているというのなら、
肉体の細胞自体もその土地の空気、食べ物、水、
等に影響されるはずだ。
いわば、その人の思考、考え方、果ては、精神にまで
影響を与えるのだ。
これまで、
あまり幻想としての肉体を重視してこなかったが、
やはり、ちゃんと愛と慈しみを以って接しよう、
という感じに変わってきた。
しかーし、
自炊と言っても、カップ麺ひとつ作れない僕。
高校まで、フライパンに油を敷くことを知らず、
大学の時に付き合った彼女が、
家でオムライスを作ってくれた時にはじめて、
オムライスの卵の皮は自分で作れることを知った。
それまでは、お店に売っていると思っていたのだ。
まずは、炊飯器を買いに行った。
日本にいるときに、炊飯器の選び方について、
釜の太さと保温時間の長さをよくチェックするよう、
兄弟てっちゃんから手ほどきを受けていたので、
AEON、APITA、SOGOを回り、見比べた。
うわっ、12万円のとかある。
お粥とかリゾットを作るのでなければ、
そんな高価なものは必要ないと、
兄弟てっちゃんから言われていたので、
結局パナの5万円くらいのを買った。
あのヴィパッサナ―での質素な菜食を真似て、
お漬物やピクルス、お味噌も買ってくる。
お米は兵庫産のこしひかりを奮発した。
2キロ1800円くらい。(複合米じゃないよ!笑!)
が、お米って、どうやって研ぐのだろう。
釜に米と水を入れ、指でじゃらじゃらかき混ぜるが、
一向に水が透明にならない。
兄弟てっちゃんは無洗米を買え、と言っていたが、
香港にそんなの売ってない。
まあいいや、と3回くらいじゃらじゃらやって
炊飯器にセットした。
出来上がり。
ううん。
5万円もした炊飯器で炊いた割には、微妙…。
天領水で炊いたのに…。洗い方に問題あり?
どうしても〝ごはんですよ〟が欲しくなり、
あちこち探したが、どこにも売っていない。
現在すぐ後ろで操作してくれている聖霊兄貴から、
「太古駅のスーパーウェルカムへ行け!」と入る。
ちょっと遠いし、人が多くて並ぶし、
日本の食材が地元のスーパーにあるとも思えない。
でも、最近は僕の日常生活までも操作下に置いている
兄貴の言うことだからと、仕事帰りに行ってみたら、
あったー!
まあ、あってもなくてもよかったのだろうけど、
兄貴はとことん僕にこういう事象を見せ、
100%委ねさせるつもりのようだ。
もちろん、
こういう日常の些細なことを、
うまくいかせるために委ねる、という意味ではない。
そういうことではない、ということが分かる今だからこそ、
兄貴は目に見える形で見せてくれているのだと思う。