今朝、家を出ようと身支度をしていると、
スマホの仕事用スカイプに、ピコン、ピコン、
と、続けざまにメッセージが入った。
こんな時間に何だろう、と思った瞬間、
みぞおちの辺りが〝ビクン〟と反応した。
何か、業務上のトラブルかもしれない。
内容をチェックしようと、
スマホのアプリを開こうとして、やめた。
さっき感じた〝ビクン〟の正体を、
とことん見てやろう、と思ったのだ。
で、会社に着くまで、わざとスカイプの内容を、
確認しないでおくことにした。
バスに乗っている間も、ピコンピコン、と、
メッセージの通知音が何度も鳴る。
その度に、何だろう、と気になって仕方がない。
あの件だろうか、それとも、何か別の問題が?
「ほれほれ、気になるやろ」
「ほれほれ、胸がドキドキするやろ」
「ほれほれ、問題発生やでー、大変やでー」
ジガオが、必死のパッチでささやいてくる。
(※僕の江後田自我男は大阪府の北摂出身)
真実の自分とは全く関係のない、
でたらめで無意味な、狂ったささやきを、
本当に意味がない、として認識してゆく。
バスから電車に乗り換え、
もういいかな、と思ったころで、背後へと戻る。
今、この瞬間に意識を戻し、
無限の全体への抵抗を一切やめ、
脱力して、背後の真の存在へ全てを委ねる。
圧倒的なハートの流れに身を任せ、
自分が完璧な愛の存在だと思い出す。
ジガオの囁きが彼方へと消えてゆく。
そんな囁きは嘘だ、と、まる分かりな場所で、
ジガオは愛へと変換されてゆく。
👆 ついにマスク専門店が登場!
実験しゅーりょー!
ということで、会社に着いた。
改めてスカイプをチェックすると、
ピコンピコンの内容は、
ZOOMの招待URLをもらったけど、
うまく入れません、といった、IT部門と、
その他数人の人たちとのやり取りで、
なぜか関係のない僕もグループチャットに
入れられていただけの話だった。
あとは、エドワードからの、
バスが混んでいるのでちょっと遅れます、
というメッセージだった。
これからも、肉体を持って生きている限り、
ビクン、という反応は起き続けるだろう。
ジガオのささやきも、小さくはなれど、
完全に無くなりはしないだろう。
それでも、全然怖くはない。
愛の歓びだけが存在している場所に、
僕はもう帰っている。