ほんまに、どこまで終わっていくねん!
という感じの今日この頃であるが、
今日、たとえ一文無しになってしまおうと、
明日、全ての知り合いから総スカンを食らおうと、
明後日、不治の病で死んでしまおうと、
全く100%、完璧で大丈夫な今を過ごしている。
東京MXの〝五時に夢中!〟という番組の中で、
熟女のお悩み解決コーナーというのがあり、
その中で、とあるカフェのママ(49歳/バツ2)が
三回目の結婚相手を探すために、
マッチングアプリに登録したのだが、
来るのは60歳以上の男性ばかりで、
どうすれば、理想の相手が見つかりますか、
という相談をしていた。
ちなみに、このママさんの理想は、59歳以下で、
阿部寛か伊藤英明似の犬好き男性なのだという。
そして、この相談に対する、
岩井志麻子の回答がこれまた傑作だった。
仏師や彫刻家は、木の塊や大理石の塊から、
仏さまやダビデ像を〝彫る〟のではなく、
木の塊や大理石の塊の中にはすでに、
仏さまやダビデ像が存在していて、
仏師や彫刻家は、ただ、
余分な木くずや石くずを取り除いて、
もとから中に存在していた仏さまやダビデ像を、
取り出す作業をしているだけなのだという。
これと同様、
外見や年齢で相手を判断するのではなく、
デブったオッサンの中に在る阿部寛や伊藤英明
を見いだせるかどうかは、仏師や彫刻家同様、
あなたにかかっている、というのだ。
また、59歳以下で、外見は阿部寛か伊藤英明、
と言って、条件で相手を除外している限り、
逆に相手からも、年齢は40歳以下で、
外見は北川景子か佐々木希、というふうに、
自分が条件で除外されるのは当然のことであり、
先ずは、条件を取っ払ってみるのが
相手を見つける近道なのでは、と述べていた。
お金、理想の伴侶、理想の職場や人間関係、
など、自分が欲するものを引き寄せたい、または
悟りたい、覚醒したい、幻想を終わらせたい、
赦して父が待つ故郷へ永遠に帰りたい、といった
願望も、このカフェのママの悩みと同じである。
そして、引き寄せの法則、奇跡講座、非二元、
座禅、バシャール、風水、その他あらゆるスピも
そこには、こうこうこういう条件が満たされるから
やってみる、という〝自分〟がいる。
これらのことをやってはいけない、のではなく、
もうすでに、それそのもの、でしかなく、
何かをする必要もない。
このカフェのママで言えば、すでにここにある
剥き出しなった伊藤英明に触れるだけである。