ららぽーとから博多市内へ戻り、ホテルで休んだ後、
昨日が屋台だったので、今日は洋食で、ということで、
博多駅の裏側にあるイタリアンの店へ向かった。
〝THE GARB LEAVES〟という三階建てのお店で、
二階にはテラス席もある。
こたつの席があったので、僕たちはそこに座った。
👆 隠れ家のような〝GARB LEAVES〟
250席あるので忘年会にも重宝しそう
木々に囲まれた隠れ家のようなレストランで、
雰囲気もサービスも料理もワインも申し分なかった。
そして、この日はヴィンセントの誕生日だったので、
こっそりバースデープレートを用意してもらった。
歌声と共にプレートが運ばれてきて、彼も大喜び!
店員さんの優しい配慮やお客さんの拍手に包まれ、
とてもあたたかな気持ちが込み上げてきた。
👆 炬燵席は人気らしいがこの日はガラガラだった
帰りに、ヴィンセントがパフェを食べたいというので、
博多駅構内にある和風甘味屋さんに入った。
彼はコテコテの抹茶パフェを注文し、
僕は僕で抹茶プレートを注文した。
香港には、パフェが食べられるお店が本当に少なく、
あっても、しょぼいパフェが2500円くらいする。
なので、日本へ来てコテコテなパフェを食べるのは、
甘いもの大好き香港人の定番となっているのだ。
イタリアンで満腹なのに甘い物はやっぱり別腹だった。
こうして美味しいイタリアンとワインとデザートを満喫し、
夜風に吹かれながらホテルへ戻った。
前日同様、ヴィンセントは早々に眠りにつき、
僕は、ラウンジで、ワインをグラスに満タンに注ぎ、
自分の部屋に持ち帰って、何やかやしながら過ごした。
あくる日、授業があった僕は早々に博多を後にした。
ヴィンセントは、まだ何日か九州を旅するという。
この日の夕方には音声学の試験があるので、
新幹線の中ではずっと試験勉強をしていた。
👆 新幹線に乗る前、博多駅で昼食をとる
浅草の超有名な洋食屋〝レストラン大宮〟の
熊本産黒毛和牛をいただく
その瞬間瞬間に様々な事象が顕われ、過ぎ去ってゆく。
また、それらの出来事に付随して様々な感情が生起し
しばらく尾を引いた後、最後には消え去ってゆく。
店員さんも、ヴィンセントも、新幹線の乗客も、
学校の授業も、パッと輝いては散りゆく花火の如く、
その時の場所や人が二度と再現されることはない。
なんだか、夢を見ているみたい。
人も、物も、事も、ただ通り過ぎてゆく姿でしかない。
映像だけで、その肉体の中には実体などないのだ。
それでも、優しい気持ち、大好きという思い、
愛しているというキュンキュンする響きは、
どんなときも変わらず、意識の裏側に流れている。
試験勉強を中断し、シートに凭れて深呼吸する。
身体の力を抜き、理由のない有り難さに委ねる。
過去の憎しみや怒りも、そのままで丸ごと愛となる。