昨日は、筋トレの後、トレーナーと一緒に、
ミッドレベルのソーホーエリアで食事をした。
香港を旅行した人はご存知かと思うが、ミッドレベルは、
セントラルの長い長いエスカレーターを上った先にある、
医者や弁護士など、香港セレブが多く住む地域だ。
坂道の中腹にあるソーホーエリアには、バーをはじめ、
エーゲ海料理、イスラエル料理、ギリシャ料理、など、
あらゆる国のレストランが軒を連ねている。
最初僕たちは、ネパールレストランに入ろうとしたが、
満員だったので、結局、アルゼンチン料理にした。
僕の食事は基本、トレーナーに管理されているので、
この日も、蛋白質の多い牛肉やサーモン料理を頼み、
パスタやピザなどの炭水化物は一切注文しなかった。
アルゼンチン産のトラピチェワインで乾杯する。
そう言えば、このトレーナー氏と本格的に筋トレを始めて
かれこれ2年近くになる。
その間、厳しい指導のお蔭もあり、
肉体は確実に変わった。
以前、お腹のボタンがはちきれそうだったワイシャツも、
今では、胸のボタンがはちきれそうになっているし、
ズボンもなんとかウェスト72センチをキープしている。
「食事や自主トレなど、星谷さんは僕が言ったことを、
きちっと実践されたから成果が出たのですよ。」
とトレーナー氏は言った。
当初、彼は僕に三食ガンガン食べるよう指示した。
こんなに食べて大丈夫なのかと一瞬戸惑ったが、
それでも言われるようにしていると、一旦は太るのだが、
やがて筋肉量が増え、その分代謝が上って、
その後、みるみる痩せていった。
僕は筋トレを通じて、自分の想い込みでやろうとせず、
何事も、どうすればいいかを知っている専門家に、
100%の信を置いて任せることの重要性を学んだ。
だって、
自分のやり方が間違っていたからブチャったわけで…。
今日は、エドワードは中国へ行っているので、
僕一人、オフィスでお留守番だった。
なので、気兼ねすることなく、大音量で、
ワプニック氏の音声動画を聴きながら仕事をした。
彼は早口な上に、声もかなりハスキーなので、
再生速度を通常より20%ほど落として聞いた。
〝存在していないものに、なすべきものは何もなく、
修復すべきものも何もない。あなたがすべきことは、
ただ、戦場を越えた場所(決断の主体)から、
夢に対して微笑んで観ることだけである。〟
〝想念はその源を離れないのだから、
外側にあるものは、心の中のその源から、
一度も離れた事がない。
よって、外には誰も存在しないし、
誰かと繋がる自己も存在しない。〟
ワプニック氏の動画は以前からよく観てはいたが、
ここへ来てようやく、
これらの言葉の意味を真に理解し始めている。
「ええっ。このおっちゃん、こんなこと言ってたっけ?」
てな感じである。
以前書いたこのブログ記事の中で、
「全部この一点だけでやっている。」「そこしかない。」
と、この、とか、その、といった
ややこしい表現をしてきたのだが、
「外側にあるものは、その心の中の源から、
一度も離れたことがありません。」
という彼の言葉を聞いて、
「ああ、そうそう、このことを言いたかったんだあーっ!」
と、思わず手を叩いて小躍りしてしまいそうになった。
相手のちょっとした好意や言動から引き起こされる、
憎悪や、恐怖や、ちょいイラ、または、安らぎや、幸福感、
と言った想念は、全てその源から離れていない場所で
起こっており、よって、赦しもまたその場所で行なわれる。
言い方を変えると、
存在していないものを、存在していないとして赦す、
相手をそこに存在させない場所から赦しを行なう、
ということだ。
あ、そうそう。トレーナーと食事をしていたとき、
彼の新婚の奥さんがものすごい倹約家で、
雰囲気のいいレストランの食事ももったいない、
部屋に花や植物を飾るのも無駄遣いだ、
ちょっとした旅行に行くのもダメ、と言われ困っている、
という話題になり、その流れで僕が、酔いに任せて、
今の豊かさを大切にする、とか、
未来のために今を制限する必要はない、
と言ったことを話していた。
その瞬間、〝倹約家の奥さん〟を実在化させている、
ということにハッと気づいた。
そして、それは誰がやっているのか?
わ・た・し・が、やっている。
存在していないものを存在させているのは自分だった、
と、ハタと悟ったのだ。
それに、
幻想を存在させている〝わ・た・し〟は、ここにはおらず、
全てあの〝一点〟の中だけでやっている。
全ての特別な関係を、存在しないものとして、
ひとつの源である想念の場所で赦す。(←ややこしいな)
そういう意味で、僕はようやく、
本当の赦しをしてゆくそのスタート地点に立ったのだな、
と感慨を新たにしつつ、
ソーホーの夜は更けてゆくのであった。