会社員という檻から出て一カ月半になる。
最後の税金申告や積立金の還付申請など、
払うものは払い、貰うものはすでに貰ったので、
そろそろ帰国のフライトを押さえようとした矢先、
オミクロン株の関係で、邦人を含む渡航者の
航空便の予約を停止すると発表された。
日本人帰国者への規制は後日撤回されたが、
この第一報を聞いたときの僕の想いは、
帰国できなくなってどうしよう、という不安ではなく
まだ暫くこの状態で居られるという安堵感だった。
その気持ちは、ただ単に、香港に居続けたい、
という表面的なものではなく、なんていうか、
時間と共に変化していくことへの抵抗だった。
例えば、今のこの境遇から抜け出したい、と、
心底思っているにもかかわらず、いざ、
その機会が訪れると、ビビって躊躇してしまう、
というアレだ。そして、気づいた。
今の状態を維持し続けたい、という思いは、
この夢の現実から永遠に目を醒まして、
父が待つ本当のわが家へ帰っていく際に、
感じる抵抗と同じものなのだ、と…。
だからこそ、この夢の現実の出来事から、
自分が何を〝感じて〟いるかを認識することは
とても重要だと痛感した。
ただ、昨日のインスタグラムでも配信したが、
ここでポイントとなってくるのは、
何を〝考えて〟いるのか、ではなく、
何を〝感じて〟いるのか、である。
永遠に目を醒まして本質へ帰還するほうがいい、
と〝考えて〟いても、
実際には、そう〝感じて〟いないからである。
コンビニで、
本当は500円のアイスクリームが食べたい、
と直感的に〝感じて〟いるのに、
勿体ないからと、200円のアイスクリームを選び
「私はこのアイスクリームが好きなんですぅー」
という考えにすり替えて、自分にウソをつくのだ。
本音の想い、とは、直感的感覚、のことである。
なので、
抵抗を止める、と考えで理解するのではなく、
抵抗している、という〝感じ〟を理解するのだ。
結局、日本行きの帰国便は2月9日を押さえた。
帰国までの間、変わりたくない、
という自分の本音に寄り添うことにした。
それは、今この瞬間に出てくる想いを受け止め、
本当はそんなことはない、と解釈し直す行為だ。
その上で、
今この瞬間に在る神の想いを受け入れてゆく。