やっほーい。昨日、久々に兄弟てっちゃんとスカイプをした。
向こうはビール、こっちは最近あまり酒を飲まなくなったと、ウーロン茶で乾杯したが、
てっちゃんが白ワインを持ち出したころには、こちらも我慢できなくなり、
赤ワインをやりだした。
ベビースターラーメンをぼりぼりかじりながら、
てっちゃんは4月から始めたメンテナンスの仕事について語る。
話を聞いていると、やっぱり彼は〝匠〟だなあ、と思う。
「俺は自分で何かを創造したりできないから。
人がひらめいたアイデアを形にするだけなんだ。」
と自分には〝ひらめき〟などないようなことを言う。
とんでもない。てっちゃんが造りだしたものは全部てっちゃんの創造物だよ。
自分が創造したいものを、まず相手の口を通して言わせてから、
「それじゃあ、やりまっす!」と答えているだけなのだ。(小保方口調)
そのほうが安全だ、と無意識は知っているようだ。
「ねえねえ、こんなのあったら便利だなって思うんだけど、てっちゃん、できない?」
と、自分のアイデアを一旦その相手に言わせ、
「うん。こうやったら、もっとよくなるよ。」という返しをやってから引き受ける。
学生の時によくやった、自分から告白なんて絶対できないので、
あの手この手で、相手に「好き」だと言わせる、アレだ。
告られてから「まあ、俺も付き合ってもいいけど。」とくる。
この面倒くさいところがまたいいのだ。
父に愛を告白して拒否られるなんて恐すぎるので、
なんとか父のほうから愛しているといってもらいたい。
かといって、この方式を変える必要なんてない、と思う。
自分は(神に)愛されている、と認めていれば幻想のプロセスなんてどうでもいい。
そうやって、ぺちゃくちゃ、やっているうちに夜明けが近づいてきた。
普段はさおちゃんが寝てしまうと、
大抵アイドルの水着画像を検索したり、いろいろなブログを見て遊ぶ。
季節が夏だと、なぜかてっちゃんはここでトランクス一枚になるのだ。
今日はこれから広東省の広州市へ日帰り出張があるので、
結局4時前くらいにチャットはお開きとなった。
今から寝ても仕方がないので、そのまま風呂に入り、
スーツに着替えて朝6時ごろ家を出た。
香港のホンハム駅から7時半発の広州行き直通列車に乗り込む。
↑香港から大陸への直通列車。広州まで2時間。
「3時間前まで酒を飲んでいた。」
「3時間後には打合せが始まる。」
「だからいまのうちに少しでも寝ておかねば。」
なあんていう概念はない。
今、列車で寝ないとあとで疲れる、だけど眠れない、イライラ、なんてこともない。
いまここにいる自分がどうしたいか、だけに焦点が合っている。
まあ、肉体としての自分もはなからないのだ。
逆に言えば、3時間後に眠くなり、会議で眠ってしまっても別にOKだと思っている。
アンフィニ時代に〝概念をはずす〟方法をさんざん実践したおかげで、
〝寝ないと疲れる〟〝食べないと体が持たない〟〝○○をするなんて無理〟
といった概念は根底から手放せている。
〝明日仕事なので今日のお酒はほどほどに。〟
〝すっごくこのケーキを食べたいけど、もうすぐ夕食なので我慢する。〟
みたいな、未来に起こることを想定して今を制限するようなことも、しなくなっている。
この点に関しては、SMの女王様が鞭を持っ…、あっ、えへん…、もといっ!
『エースをねらえ!』の宗方コーチさながら、
ビシッバシッ仕込んでくれたあやこさんのおかげだと思う。感謝!
朝10時から夕方5時まで、広州の日系弁護士事務所で、
いろいろな会計上の打ちあわせをする。
参加者は僕と、総経理(工場で一番偉い人)と、2人の弁護士と、パラリーガルの男性1人。
大量の書類を前に、ああでもない、こうでもない、と一つ一つ内容を確認してゆく。
その間、ずっと兄貴と一体になって過ごす。
とてもリラックスしていて、夢を見ているような感覚。
お昼になり、みんなで湖南料理を食べにいった。
丸いテーブルを囲んで野菜スープを飲んでいたまさにその瞬間、
こんなときにわざわざ出てこなくてもいいのに、
あの石川さゆりがひょっこり出てきた。
うわっ、やば、と思った時にはもう手遅れで、
「どうしたんですか。」と主席弁護士の人に聞かれたときには、
すでにハートの愛を感じて絶頂へ…。
そのときの表情は完全に〝天城越えのサビの部分を唄う石川さゆり〟だったと思う。
帰りの列車の中でゲイリーの講演会の録音を聴いた。
「赦しとはエゴをないとして消去してゆく作業だ」という言葉がバコン、と入る。
日本語では解体と訳されているが、消去の方が深く入る。
列車に揺られながらちょっと思う。
女のしおちゃんが 『天城越え』 になるのはわかる。
でも、な、なんで、オレ…?。
ハレルヤさんもよく神を感じて、
泣きのシーンを演じる大女優のようにむせび泣いているが、
あれはひょっとして石川さゆり状態、ってこと?
それなら安心。
こうやって香港の自宅へ帰り着いたのが夜の8時半。
心地よい眠気が上げ潮のように襲ってくる。
ハートはまだひゅんひゅん唸っている。
ああ、今夜はよく眠れそうだ。