↑証拠隠滅?
本来は沸山へ行く予定だったが、急きょ深圳の旧工場へ。
いよいよ財務室の引っ越しをする、と言うことで、ふぁちゃんが帳簿整理に奮闘していた。
古い帳簿類を処分するとき、掃除のおばさんの目がきらりと光ったのを見て、
即刻、僕の見ている前で焼却処分にするよう指示した。
見られてまずいことは何もないが、会計書類なので、廃品回収に売られたりすると困るのだ。
要らないキャビネットを横にし、保安員が二人がかりでガンガン紙を燃やしてゆく。
数か月前まで何百人と言う人たちが働いていたこの工場も、
とうとうふぁちゃんと保安員だけになってしまった。
燃え上がるオレンジ色の炎を眺めながら、この一年の間に兄貴と共に行った赦しを思い出し、
さまざまなものがこの炎と共に消去されていくような気がして、なんだか感無量、だった。
香港への帰り、タクシーがなかなかつかまらず、通りがかった輪タクに乗った。
50ccのバイクの後ろに幌付きの荷台を付けただけの輪タクは、
込み合う道路を、右へ左へとビュンビュン飛ばしながら走る。
もう少しで放り出されそうになるが、なぜか、すっごい喜悦の境地。
今日は〝いま、ここ〟で行くことにした。
僕にとっての〝いまここ〟は、ハートと共にあることだ。
ここのところハマっている〝起こってないごっこ〟と〝うそっぱちごっこ〟をしているうち、
ハートと共にいることが、とてもとても心地よくなってきている。
電車に乗っている時、誰かと話している時、暇さえあれば、じっとハートを観ている。
しばらくすると、ハートがたゆたう実相の世界が、いまここにあるような感覚になってきて、
どんなことでも、どんな人でも赦せるような気がしてきて、幸せな気持ちが込み上げてきた。
これからどうなるのか、楽しみだ。