このブログでも何度か紹介した、
《夜と霧》の作者ヴィクトール・フランクルの生涯を、
NHKプラスで放送していたので見てみた。
1時間番組で全6話もあるのだが、一気に見た。
(NHKブラスだと1.5倍速で見れるのでかなり時短)
彼はオーストリアの精神科医で、
ナチス収容所にいた2年半の体験をつづった
《夜と霧》の作者として有名な人である。
人生のどんな小さなことにもロゴス(意味)があり、
その意味を見いだすことで、苦しみへの見方が変わり、
精神的解放が起きる、というロゴセラピーを提唱した。
そして、彼は自らの理論が正しいかどうかを、
ナチスの強制収容所で実際に試してみた人でもある。
ただし、
彼が言う〝意味〟とは、決して解釈的なものではなく、
第3の精神次元から降りてくる〝直観〟であり、
その意味に触れるには、良心というアンテナ器官を、
高く掲げている必要がある。
その〝良心〟というのも、道徳観からくるものではなく
「自分は今この瞬間、何ができるだろう?
どんなよいものを、与えることができるだろう?」
と、過去でも未来でもなく、今、問うことであるという。
それは、他者だけでなく自分に対しても言えることで、
落ちていたごみを拾う、自分のために休息する、
みたいなことも良心と言える。
いま、多くの若者が、
平和で豊かな世界に暮らしているにもかかわらず、
深い孤独感や空虚感や不安感を感じているのは、
〝自己過剰観察〟に陥っているからだという。
鏡を自分の前に置き、
1日中鏡の中の自分を観察して暮らしている。
他者から自分がどう見られているかという、
他者の眼差しを通した自分ばかりを気にするので、
結局、世界には鏡に映る自分一人だけとなり、
そこから限りない空虚感や孤独が生まれるのだと…。
そう言えば、この前、新世界で飲んでいた時、
隣に座っていた30歳くらいの女性が、
カラオケで歌う歌を一生懸命選んでいて、聞くと、
今、この店にいる客に合う歌を選んでいるのだという。
私の歌でお客さんをしらけさせたら悪いから、と…。
それって、一見、周囲の人を気遣っているようで、
実際は、鏡の中の自分のためにやっている。
彼の人生を貫いているのは、
職業や立場や性別を超越した、愛と優しさである。
ナンチャラセラピーとか、小難しい事を言っているが、
結局、彼の愛と優しさに癒されている。
それにしてもホンマ最近、NHKやばいな。
母親が受信料払ってるから、俺もNHKプラス見れる。
お母ちゃんの良心に感謝やな。
(お前、受信料くらい払えや! from 全読者!)
あっ、配信は、今週21日(土)午前3時まで
なので、見たい人は急ぐべし!