香港さんといっしょ! 奇跡講座(ACIM)と純粋非二元

欲望都市香港で奇跡講座を実践中。今回を最後の生にするための日常を綴っています。

ただ消えてゆく、ということ


↑朝の通勤の道

前回書いた〝全托感〟の中でピヨピヨしている。


〝もういいです。僕は聖霊の庇護の中で活きます。

 だから、自分の全てをあなたに明け渡します。

 今後は、あなたが僕となってください。〟


出てくる〝これ〟を手放すのではなく、

自分丸ごと、聖霊兄貴に託してしまった。

すると、もう今後一切、

自分でテンパってやらなくていいんだあ、という、

何かから一気に解放されたときのような、

何とも言えない安らかさに包まれる。


これまでも、自分の内側に入ってゆけば、

いつでも聖霊兄貴の導きに触れることができた。

そうやって、自分と兄貴の間に距離を置き、

都合のよい時だけ行ったり来たりしていたわけだが、

ここへきてもう、別にずーっと兄貴が自分でもいいや、

と、100の降参(?)をしてしまっている。


こうして、自分を聖霊の中へ全托してしまうと、

観るモノがすべて冗談のように思え、笑けてくる。

昨夜も、眠っている時、左の腕に、むずむず症候群?

のような症状が出て、なかなか眠れずにいた。

目を閉じると同時にむずむずと、腕を動かしたくなる。

「冗談だろ?」と心で呟くと、

「はい。冗談です。」と心が返してきて、

あとはケラケラ大爆笑していた。


↑二階建てバスで通勤し始めて見えてきた風景。


そんなとき、日本映画専門チャンネルで、

1982年に放送された萩原健一主演のドラマ、

『君は海を見たか』 の再放送を見た。

とても、暗いドラマなのだが、

細切れのカットシーンをつなげただけの、

最近のドラマにはない、生の役者の迫力がある。

ショーケンのほとんどのセリフがアドリブで、

子役の男の子の演技もすごかった。

彼は谷川俊太郎氏の『生きる』という詩を、

全部暗記して早口で朗読してのけたのだが、

その詩を聞いて、またまた、ある気づきが訪れた。


厄介なあの事はどう解決しよう、

あの時に言われたあの一言が許せない、または、

お金が欲しい、酒が飲みたい、セックスしたい、など、

こういう、獲得したい、成し遂げたい、といった、

たとえ聖霊兄貴に全托しても、肉体を持っている限り

自然発生的に湧き出てくる〝欲望〟に対し、

それはただ〝生きているということ〟だけであり、

ただ生起しているだけで、欲望(執着)ではない。

いわば、それは欲望ではないと気づいているかが、

欲と降参、執着と開放、の分岐点となるのだ、と…。


例えば、

一週間前、何回トイレに行ったとか、

一カ月前の今日、何を食べ、何をしていたとか、

一年前にはどんな服を着ていた、といったことを、

鮮明に覚えている人は、ごくごく稀である。

故にそれは、欲望ではない。

起きるから起きることをやっているだけなので、

覚えておく(執着する)必要がないのだ。


しかし、

あの時、あの人から受けたひどい仕打ちや、

あの時、こうしておけばよかった、と悔やまれる事柄、

または、懐かしむように浮かぶ過去の出来事など、

自分にとって特別なイベントとして定着した記憶、

それが欲望である。

そして、

後者も前者と同じものにすぎないと理解すること、

どちらもただ生起して消えてゆくものに過ぎない、

と分かっていること、それが決定的に肝心である。


そういう意味で、

過去の嫌な記憶が鮮明に湧き上がってきたときこそ、

それを、トイレに行きました、レベルの記憶に変え、

消えて行かせる機会だ、と捉えるのだ。


↑造船会社の会社員役の萩原健一。カッコいい!
『生きる』 
作者:谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎていくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

(※初出:『うつむく青年』より、
  1971年山梨シルクセンター出版部)