佛山の新工場で一泊し、今日昼過ぎに香港へ帰ってきた。
もうすぐ財務室の内装が終わるというので、下見に来たのだ。
なかなか、日系企業の工場らしくなってきた。
机の配置や、金庫の置き場所など、いろいろとレイアウトを考え、
早速パーテーション式のデスクを発注する。
夜、8時くらいに会社の車に乗り、ホテルへ戻った。
あくる日、総経理から製造チームは、昨夜3時までがんばったのだと聞かされた。
現在、監査のために得意先の技術者が幾人も張り付いており、
毎日さまざまな課題が出され、それをクリアしないと帰れないのだという。
「みんな限界ぎりぎりで頑張っているのですよ。」
と総経理は言うが、そんなことを言えば、最後の一人の仕事が終わるまで、
全員が帰れない、ということになる。
それよりなにより、どう見てもこの光景が現実に起こっているようには思えない。
以前は、どう見てもこの光景が現実に起こっているようにしか思えなかった。
もう完全に起こってないし、罪もないことが分かってきているので、
何を言ってこようが、夢の中の人が何かやっているような見方しかできなくなってきている。
これも、次から次へと赦しが差し出される職場環境に身を置いているからなのだろう。
もう今の僕にとって、職場は究極の〝故郷帰還道場〟でしかない。
そうそう。
ここ数日ハマっている〝起きてないごっこ〟であるが、
いろいろと思考錯誤した結果、最終的には、
これは起こってない → 故に何の罪もない → 兄貴、お願いします → 後は放っておく
というパターンで落ち着いた。
今日、ショッピングモールで買い物をし、バスに乗るために外へ出てみると、雨が降っていた。
ザーザーとシトシトの中間くらいの降り方で、
この日に限って折り畳み傘を持ってこなかったことを、僕は後悔した。
あーあ、ついてない。
そこで、〝これは起こってない〟と心の中で宣言し、次に〝故に罪もない〟と唱え、
それから〝兄貴、お願いします〟と大きく吸った息を少しずつ吐きながら、
びゅんびゅんを兄貴に渡す。そのあとは、再度思い出してもそんな自分も含めて放っておく。
今の段階では、これがエゴの自分を納得させる、一番の赦しのワークになっている。
ショッピングモールを行きかう人々を見ながら雨宿りをしていると、
人々がマトリックスの中の人々そのものに見えだした。
また粒子が飛びはじめた。
なあんだ。これ、みんなマトリックスじゃん。
結局、雨に濡れるのも起こってない、と心底思え、
ショッピングモールを飛び出して、そのままバス乗り場まで歩いた。
舗道を照らす、オレンジ色の街燈に透けて見える雨粒がスローモーションのように見え、
おもしろかった。
結局、思ったほど濡れずに家まで帰ってこれた。
今日はもう、直面するほんの些細な出来事に関してもこれを行なった。
トイレでハンカチを床に落としてしまった、みたいなすっごく微小なことに対しても、
この赦しを実行した。
バシャールが言う2016年秋ももうすぐ。
よっしゃ。ワクワクの列車に乗ったるでー!(オイ!急にそっちかい!)