今日は、月に一度の部門長会議だった。
全部門長が発表するので4時間くらいかかる。
僕は香港からZOOMで参加するのだが、
自分の顔がずっとカメラに映っているので、
気を張っていて、案外疲れる。
そこで、一日の疲れをほぐそうと、仕事帰りに、
マッサージへ行くことにしたのだった。
軽くシャワーを浴び、
店のウェアを着て個室で待っていると、
マッサージ師がやってきた。
急に予約を入れたので、
いつものマッサージ師が手配できず、
初めての人にやってもらった。
だが、マッサージが始まって間もなく、
隣の個室からおっさんの喋り声が聞こえてきた。
施術師相手に、大声で株の話なんかしている。
僕はと言えば、おっさんの話し声に邪魔をされ、
ボディに感じる気持ちよさに集中できない。
とうとう我慢できず、隣の話し声がうるさいので、
部屋を変えてくれ、とマッサージ師に伝えた。
しかし、あと5分で隣の客は施術を終えるから、
と耳打ちされた。
しばらくすると、マッサージ師が言った通り、
隣のオッサンは出て行き、辺りは静かになった。
が、さっきのイライラが尾を引き、
貴重なマッサージの時間を10分も損した、とか、
部屋を変えてくれなかったこの施術師には
絶対にチップを払ってやらない、といった思いで
頭の中がぐるぐるし、なかなか、
今、この瞬間の気持ちよさに戻ることができない。
隣のおっさんはもう、ここにはいないのに、
僕は、彼がまだここにいる、と思ってイライラし、
そうすることで、
今この瞬間にマッサージ師が与えてくれている
心地よさ(平安)を〝無いもの〟としていた。
それはもう終わっていて、すでに無いのに、
まだあると思って苦しんでいる。
これって、マッサージだけではなく、
この世界で起こる全てに言えることだ、と思った。
過去(罪)が今もあると信じ込み、
今ここに在る神(愛/平安)を無視しているのだ。
また、
隣のお喋りおっさんを愛で観よう、とか、
この怒りを聖霊に差し出し…、とか、
その瞬間に赦すなんて無理なので、
「なんだこのオッサン、めっちゃイラつくぅーっ!」
と、ただ〝キライなまま好き〟でいる。
このオッサンも、この想いも、消えてゆく姿として
ただ、消えるに任せておくのだ。
そうやって、すぐに気持ちを転換させ、
マッサージの心地よさに集中した。
ちゃんとチップもあげましたよ。
とまあそんな感じで、
今回も自動ヴィパッサナーで、
たくさん細胞にたまった記憶のカスを、
ダンマ(兄貴)に持っていってもらったのであった。